★事務所費問題 農水相は疑惑に答えよ(8月27日)
今月初めの改造から一カ月とたたないのに、福田康夫内閣の閣僚に
政治とカネの問題が浮上した。
太田誠一農水相の政治団体が農水相秘書官の自宅を事務所として届け出て、
2005年と06年の2年間で約2340万円の経常経費を計上していた。
東京都内にある秘書官の家には事務所の看板などはなく、
一般の民家にしか見えないという。
事務所としての実体はあるのか。架空の経費を計上していたのではないか。
政治資金収支報告書の虚偽記載につながる、そんな疑惑を持たれても仕方があるまい。
国政を担う立場から、自ら進んで説明責任を果たすのは当然だ。
ところが、記者会見した農水相は「いろんな見方がある」「問題は全くないと思っている」
などと言うばかりで、支出の中身について具体的に語ることはなかった。
これでは到底納得できない。
農水相は支出を裏付ける領収書や会計帳簿をすべて公開し、
国民の疑念に真正面から答えるべきだ。
安倍晋三前内閣は政治資金の「出」をめぐる疑惑で大揺れした。
佐田玄一郎元行政改革担当相の政治団体による架空事務所費計上に端を発し、
松岡利勝元農水相の資金管理団体による光熱水費問題、後任の赤城徳彦元農水相が関連する
政治団体の事務所費問題と続いた。
いずれの場合も閣僚は明確な説明を拒み通し、政治に対する国民の不信感を高めた。
そのことが昨年夏の参院選における自民党惨敗の一因となったのは記憶に新しい。
自民党は反省し、信頼回復を誓ったはずだ。政治資金規正法の改正に重い腰を上げ、
一円以上の全支出について領収書を公開する義務を課したのは、その表れでなかったか。
実際にこの公開基準が適用されるのは09年分の収支報告書からだ。
だが適用前の支出であろうと、改正に至った経緯を考えれば、内閣の一員たる閣僚は
率先して透明化に努めるのが筋というものである。
農水相は会見で辞任する考えがあるかと聞かれ「そういう質問は理解できない」と述べた。
「消費者がやかましい」発言の時と同様に、問題を軽んじていると言うほかない。
野党は早速辞任を要求している。ねじれ国会の下で、疑惑を抱えたまま閣僚の責務を
こなしていくのは困難だ。早期に国民の納得を得られなければ進退問題にも発展しよう。
首相の任命責任は重い。
「きちんと説明すべきだ」と農水相に対応を促すだけでは足りない。
官邸の手で調査を行い、その結果を包み隠さず公表するぐらいのことはする必要がある。
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/114117.html ▽関連スレ
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