★【内閣改造】脱小泉・安倍路線、福田改造内閣の評価は
■財政再建優先
漫画家のさかもと未明さん「党四役にいた人が3人も閣内に入り、『ポストたらい回し内閣』という印象。
与謝野馨さんが入閣し、中川秀直さんが入らなかったことから、上げ潮派よりも財政再建を選んだように感じる。
景気の面から考えると、国民的には厳しいのでは。福田首相が言う生活者重視とは言えない。
これまでの福田政権は外交面で強くなかったのに、高村さんを外相に留任させたことにも物足りなさを感じる。
調整型の人物が多く、“角を立てない学級会”になるのでは。新しいことができる感じがしない」
■構造改革路線転換か
ジャーナリストの上杉隆さん「派閥の領袖クラスをまんべんなく引っ張ってきて配置している。
党四役も古い体質の政治家で、永田町では重厚な挙党一致とみているだろうが、国民にとっては
昭和時代の内閣と受け取られる。地味を通り越して古色蒼然に磨きがかかったような組閣。
支持率を下げるとしか思えない。保利耕輔氏や野田聖子氏といった郵政造反組を入閣させたことや、
与謝野馨氏を経済財政担当相としたことから、『脱小泉内閣』として構造改革路線からの
転換を強めることになるだろう」
■自公最後の内閣に
政治評論家の伊藤惇夫氏「党4役も含め、サプライズがない人事だった。
内閣支持率も下がるとはいえないが、劇的には変わらないだろう。
全体的には、与謝野氏や野田氏の起用など、全体的に小泉・安倍政権との決別を図る色合いが出ている。
このままで行くと、現状の低い支持率のまま総選挙に入り、自民・公明の最後の内閣となる可能性も出てきた。
名付けるなら“終わりの始まり内閣”といったところか」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080801/stt0808012020008-n1.htm ■改革よりも安定
東洋大経済学部の高橋洋一教授「重厚と言えば重厚だが、これだけオールドファッションな
顔ぶれになると、改革のイメージが出ていない。改革より安定を望むという意味では、
“福田カラー”が出ているとも言える。与謝野氏などは経済より財政重視で、消費者重視の
経済政策となるかは、期待できないのではないか。渡辺喜美行革担当相が外れたのは、
公務員の不祥事が続く中で残念だ」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080801/stt0808012020008-n2.htm ■増税準備型内閣
元参院議員の平野貞夫さん「党四役が問題。麻生太郎氏はおっちょこちょいな所がある。
保利耕輔氏は頑固で柔軟性に欠ける。笹川尭氏は調整能力がない。つまり、まとめ役がいない。
党を精算するつもりなのか。与謝野馨経済財政担当相、伊吹文明財務相という配置は
増税準備型であり、官僚依存型。注目すべきは公明。自民党は女性閣僚を期待していたが、
斉藤鉄夫環境相となった。女性の入閣は支持者の人気が高いので離脱が難しくなる。
公明は、何かあればすぐに政権離脱してニュートラルになれる格好となった」
■消費増税の覚悟決める
第一生命経済研究所主席エコノミスト・熊野英生氏「経済関係閣僚は、高成長を目指す
“上げ潮派”ではなく、増税を意識した“財政再建派”といえ、消費税引き上げへの道筋を作る
内閣となるだろう。福田康夫首相は、選挙の争点に消費税増税を掲げる覚悟を決めたとも読み取れる。
閣僚の顔ぶれをみると、派手ではないが実効性のある多彩な政策を展開できる陣容だ。
直球、変化球織り交ぜた経済政策を提示してくるだろう。すぐに消費税引き上げの議論に踏み出さず、
新しい成長戦略などを盛り込みながら、時間をかけて増税議論の熟成を図るものと思われる。
歳出圧力を押さえ込める党内の実力者が閣内に揃っており、バラマキに回帰することはないと思うが、
一方で、厳しい歳出削減など、小泉政権時代の改革色からは相当後退するのではないかと思われる」
産經新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080801/stt0808012020008-n3.htm