福井県立恐竜博物館は29日、同県勝山市の中生代白亜紀前期(約1億2000万年前)の
地層「手取(てとり)層群」から3月に後脚の指や背骨の化石が見つかった肉食恐竜が、
全身が羽毛に覆われた「ドロマエオサウルス類」の新種の可能性が高いと発表した。
背骨が出土した岩石をさらに削ったところ歯が付いた長さ3・9センチ、幅9・7センチの
上あごの骨(上顎骨(じょうがくこつ))を発見し、形状から分類した。
同一個体とみられる骨はこれまで計30種類見つかり、同じ手取層群から出土した草食の
フクイサウルス、肉食のフクイラプトルに次ぎ国内で3番目に全身を復元できる公算が大きくなった。
肉食恐竜の歯が付いたあごの骨が見つかるのは国内初。歯の表面には肉食恐竜に特有な
のこぎり状の細かな凹凸がなく、東洋一副館長は「進化の過程で昆虫など軟らかいものを
食べていたのでは」と推測している。骨の大きさから恐竜は全長約2メートルと推定される。
東副館長によると、あごの骨の形状は翼のような前脚を持つ
中国産のシノルニトサウルスと似ているという。
上顎骨などは8月1日から同博物館で一般公開される。
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【ドロマエオサウルス類】肉食恐竜で最も進化が進み、鳥類に近い特徴を持つ。
米映画「ジュラシックパーク」に登場したベロキラプトルが有名。
短時間の飛行能力があったと考えられている種類もいる。
中日新聞 2008年7月30日
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008073002000063.html 発見された恐竜の上顎骨
29日、福井県勝山市の県立恐竜博物館で(写真)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/images/PK2008073002100004_size0.jpg