愛知県長久手町の自動車販売会社が、客に販売する乗用車を税の減免が受けられる
福祉車両に改造、自動車登録後に元に戻し、購入者に自動車税などを
脱税させていた疑いが強まり、愛知県警交通指導課と愛知署は15日にも、
地方税法違反と道路運送車両法違反容疑で強制捜査する方針を固めた。
福祉車両を装った脱税事件の摘発は全国で初めて。
この会社は、長久手町と同県西尾市で2店舗を経営しており、県警は社長(44)と
両店舗責任者の計3人の逮捕状を取った。容疑が固まれば逮捕する。
顧客数人から既に事情聴取を終えており、近く書類送検する方針だ。
同社は2007年、県内の客数人に車を販売する際、乗用車の座席の一部を外すなどして
車いす移動車に改造し、特種用途自動車として「8ナンバー」で登録。
県から自動車税と自動車取得税の全額減免を受けながら、乗用車に戻して納車し、
客に計数十万円を脱税させた疑いが持たれている。
愛知県の県税減免制度は、車いすに乗ったまま乗降でき、車いす固定装置やスロープを備えた
「車いす移動車」に対し、自動車税などの全額減免を規定している。
同社はインターネットで「新発想の福祉車両」「自動車税などがお得」とうたい、
制度を悪用していた。全国的に販売していたとみられ、県警が全容解明を進める。
同社社長は中日新聞の取材に「(脱税疑惑について)一切、答えない」と話した。
各自治体は独自の福祉関係の地方税減免制度を設けているが、福祉車両を偽装した脱法行為は
全国的に見られる。愛知県は昨年9月に実態調査に着手した。
車いす移動車の減免申請は07年度に530台あり、今年5月までに調査したうち
27%(291台中78台)が減免対象に認定された後、座席を元に戻すなどしていた。
愛知県は今年4月から審査を厳格化し、申請者に医師の診断書の添付を義務付けた。
ソース:中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008071502000050.html