株式会社白泉社は、柳原望の描く漫画作品「まるいち的風景」の文庫版を
7月15日に発売する。全2巻で、価格は各800円。
「まるいち的風景」は架空の総合家電メーカー・KAMATAが開発した、
「行動トレース型家庭用ロボット・まるいち」を中心に展開するハートフルROBOストーリー。
言葉をしゃべらないまるいちと、それに触れる人々の心の姿を映し出す。
1995年に最初のエピソード「機械仕掛けの伝言」が発表されて以来、
少女漫画誌「LaLa」および「LaLaDX」を中心に作品が掲載され、単行本は
花とゆめコミックス版で全4巻が刊行されていた。
1996年のホンダ「P3」発表、1999年のソニー「AIBO」発表にやや先駆けて
家庭用ロボットを描いた作品。まるいちは「行動トレース方式」と呼ばれる、
限定的なコミュニケーション能力しか持たないロボットとして描かれる。
こうしたロボットのつたない姿が返ってリアリティを生み、「家庭用ロボット」の
あり方を興味深く描いた作品となり、少女まんがファンだけでなく、SFファンや
ロボット開発者らの間でも話題となった。
今回の文庫版は、単行本未収録作品や、2000年にTIME誌アジア版のロボット特集に
書き下ろししたショート、2004年の第43回日本SF大会「G-con」のプログラムに寄稿した
短編なども収録した完全版とされている。
Robot Watch 2008年7月11日
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/07/11/1183.html 画像
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