◆米国内および期間限定で電話サポートも無償で提供
米国Microsoftは7月7日、今後3カ月以内に新たにWindows Vista搭載マシンを
購入する小規模企業向けに、無償のテクニカル・サポートを提供すると発表した。
もちろん、ねらいはVistaへの乗り換えを促すことだ。
また、それでもうまくVistaに移行できない顧客には、米国Dellや
米国Hewlett-Packard(HP)などの大手PCメーカーがこの数カ月間
採用してきた方法にならい、VistaからXPへのダウングレードを手助けするという。
同プログラムは「Windows Vista Small Business Assurance」と呼ばれ、
従業員数が50人未満、またはPC設置台数が25台未満の企業に適用される。
同社サイトによると、この日から9月30日までの間に、新たに「Vista Business」
もしくは「Vista Ultimate」搭載マシンを購入する企業に、10月末まで電話サポートを
無償で提供するとのことだ。
無償サポートの対象はPCを新規購入する企業のみ。
すでに導入済みのマシンをWindows XPからアップグレードする場合は対象外となる。
>>2へ続く
COMPUTERWORLD.jp 2008年07月10日
http://www.computerworld.jp/topics/ms/115209.html 米国MicrosoftのWindows Vista Small Business Assuranceのサイト(画像)
http://www.computerworld.jp/images/_main/200807/1152093.jpg >>1の続き
無償サポートの対象はPCを新規購入する企業のみ。
すでに導入済みのマシンをWindows XPからアップグレードする場合は対象外となる。
Microsoftは専用のフリーダイヤルを用意しており、太平洋夏時間(PDT)の平日午前10時から
午後7時までスタッフが応対する。通常、同社はOSのサポートをコンピュータ・メーカーに任せている。
MicrosoftのWindowsコンシューマ・プロダクト・マーケティング担当バイスプレジデント、
ブラッド・ブルックス(Brad Brooks)氏は7月8日、米国テキサス州ヒューストンで開催中の
年次コンファレンス「Worldwide Partner Conference(WPC)2008」(7月7日〜10日開催)の
基調講演において、次のように語った。「Windows Vistaは米国内のあらゆる小規模企業に
浸透していくと確信している。そのためにも、彼らがVistaに安心して移行できるように、
電話による無償サポートや1対1のコーチングを提供していきたい」。
一方、Microsoft製品を調査している米国Decisions on Microsoftのアナリスト、
マイケル・チェリー(Michael Cherry)氏は、無償サポートがユーザーのアップグレードを本当に
促すかどうかは懐疑的としている。「一部のユーザーにとってはセーフティ・ネットになるだろうが、
Vista用として構成されたマシンを持っているなら、Vistaを使うほうが快適だろう。私が最も懸念
しているのは、Vistaのハードウェア要件だ」とCherry氏は話す。
その一例としてCherry氏は、SMB(小・中規模企業)向けの大手OEMベンダーから最近届いた
というカタログを挙げた。カタログの表紙に載っていたPCはメモリ1GB搭載で500ドルだったという。
「1GBではぜんぜん足りない。だが、カタログに掲載されていたシステムの基本モデルはどれも
1GBだった。Vista搭載マシンのRAM容量についてはいまだに納得できない」と同氏は不満を漏らす。
小規模企業がVistaに二の足を踏むのは、サポートに対する不安でもなければ互換性の心配でもない。
「確かに互換性の問題はいくつかあるが、それらはほぼ解決している。彼らが一番懸念しているのは、
Vistaを快適に使うにはハードウェアに対する出費がかさむことだ」とCherry氏は強調する。
Microsoftでは、ヘルプデスクを通してVistaに関するいかなる質問にも答え、アプリケーションと
周辺機器の互換性の問題を解決するとともに、同OSの主な機能についても丁寧に教えるとしている。
ただし、サポートは10月31日までだ。
Windows Vista Small Business Assuranceは、あくまでWindows Vistaへの移行を促すことを目的とした
一時的なプログラムにすぎない。Microsoftは同プログラムのオンラインFAQにこう記している。
「Windows XPの幕が閉じようとするなか、小規模企業の皆さんには、この移行期間中、
Microsoftが特別なサポートを通して全面的に移行を支援していくことを知っていただきたい」
なお、万一ユーザーがSmall Business Assuranceに満足できない場合、Windows XPに
ダウングレードするやり方を案内するそうだ。同社サイトには、「小規模企業のユーザーが
互換性の問題をどうしても克服できない場合は、PCに同梱されているWindows XP用リカバリ・メディアの
ディスクをお持ちであれば、電話でダウングレードのやり方を案内する」と述べられている。
現在、Small Business Assuranceの対象は米国内の顧客に限られている。Microsoftは、
このプログラムを米国外にも拡大するかどうかについて明言していない。
(Gregg Keizer/Computerworld米国版)
終わり