日本の沿岸の海では、海藻の極端な減少によって、それを餌とする魚貝の漁獲量が激減する
「磯焼け」という現象が広がっている。
磯焼けは、地球温暖化や海水の富栄養化など、海の生態系変化が原因と考えられているが、
その原因はまだはっきりとは解っていない。
北海道沿岸の海域でもこの磯焼けが進行しており、ウニでも特に美味として珍重される「エゾバフンウニ」が
年々獲れなくなっているという。こうした中、北海道千歳市のベンチャー企業 ドーケンは、
エゾバフンウニの育ちやすい人工漁礁の開発に成功した。
現在、北海道各地の漁業組合と設置計画を進めており、人工漁礁を使った「栽培漁業」の実現を目指す。
この人工漁礁は、直径5mm程度に破砕したホタテの貝殻をセメントなどと混ぜ、型枠に入れて固めたもの。
7年前から実験を始め、実績を積み重ねた。
ドーケン社長の山端廣幸氏は、「ウニが育つということは、エサとなる藻、特に昆布が育つということ。
だが、従来の人工礁は3年程度でいったん付着した藻が剥がれて漁礁の役割を果たさなくなる。
当社の人工漁礁 『マリーンシェル240』にはそれがない。
結果的に、エゾバフンウニが育ちやすい環境になった」と話す。
ソース
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco08q3/577718/