山形県の昨年1年間の労働災害による死傷者数は1203人で、現在の形で統計を取り始めた
1973年以来最少を記録した。建設業が前年比約2割減で全体を押し下げたが、山形労働局は
「安全意識の高まりというより、公共工事をはじめとした受注減が要因と言わざるを得ない」と、
業界低迷を映す数字に口調が湿りがちだ。
昨年の建設業の労災死傷者は238人で、前年比54人の大幅減を記録した。死傷者全体のう
ち建設業の割合は2割弱だが、減少分では全体の4割を占めた。
過去10年を見ると、昨年の建設業の死傷者は98年のほぼ半分だった。県内の公共投資額は
96年をピークに年々減少し、昨年はピーク時の半分以下に落ち込んだ。死傷者数の減少傾向と
ほぼ一致している。
ほかの業種の労災死傷者数を10年前と比べると、製造業は23%減にとどまり、運輸業や商
業は10%以上増えていた。
山形労働局の担当者は「通常、仕事の減少が労災の減少につながるとは一概に言えないが、こ
こ2、3年の建設業は特に仕事が減っている」と、業界の現況を憂えた。
ソース▽
河北新報(2008年07月09日水曜日 )
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/07/20080709t52004.htm