金沢城を守るため、加賀藩政期に城の東西に二重に築かれた「惣構(そうがまえ)堀」のうち、金沢市が進めていた
同市尾張町2丁目の「東内(ひがしうち)惣構堀枯木(かれき)橋詰(ばしづめ)遺構」復元工事が完了し、現地で5日、
完成式があった。金沢城の惣構堀が復元されたのは初めて。今年度中にも市の文化財指定を目指すという。
惣構は、城下町を囲い込んだ堀や、土を盛り上げて竹などを植えた土居(土塁)のこと。金沢城では、
2代藩主・前田利長が、高山右近に命じて1599(慶長4)年に内惣構を、さらに1610(同15)年に
3代藩主利常が家臣の篠原出羽守に命じて外惣構を造らせた。その後、多くの土居は崩され、堀は埋め立てられ、宅地化した。
東内惣構堀は延長約1・3キロで、今回、見学所として復元された枯木橋詰遺構は面積約200平方メートル。
06年から発掘調査を実施。調査結果をもとに、慶長期の斜面を復元したほか、堀が数度に分けて埋め立てられた
年代がわかるよう、地表に置き石をして目印にした。
惣構堀は、市が世界遺産登録を目指す「城下町金沢の文化遺産群と文化的景観」の一部で、今回の復元は登録への
布石の一つとしての意味もある。市は「貴重な歴史遺産の保存・活用をはかっていきたい」としている。
asahi.com
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