京都大学が作り出した新しい万能細胞の技術を使って、精子や卵子を作る研究を滋賀医科大学が京都大学と共同で
始めることになりました。ヒトの万能細胞から生殖細胞を作ることは国の指針で禁止されていますが、研究グループでは、
不妊症の治療につながるか、サルで技術的な可能性を探りたいとしています。
新しい万能細胞から生殖細胞を作る研究を始めるのは滋賀医科大学の鳥居隆三教授の研究グループです。万能細胞は、
さまざまな組織になって難病の治療などに役立つ可能性がある一方で、原理的には1人の人間から精子と卵子を作りだし、
人間を誕生させることが可能なため、文部科学省は、ことし2月、京都大学が作り出した新しいヒトの万能細胞に
ついても生殖細胞の研究を当面、禁止しました。しかし、こうした研究は、不妊症の治療法の確立につながる可能性が
あることから、研究グループは、京都大学と共同で、サルの万能細胞を使って研究を始めることにしたものです。
はじめに、万能細胞から生殖細胞を作ることができるか確かめ、成功すれば、受精して成長するかどうかまで
確認するということです。準備が整い次第、研究を始める予定で、鳥居教授は、「新しい万能細胞には多くの
可能性があり、まずは技術的な可能性を確かめたい」と話しています。
NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015703021000.html#