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市発注土木工事では、07年6月に工事規模別に入札参加事業者を5ランクに分けていた分類を
2ランク制に変更した。多くの事業者が一つの入札に参加し参加業者を特定しにくい方式に変えた。
市内事業者の参加が少ない種類の発注工事は、市外事業者も入札に参加できるようにした。
入札コスト削減に向けて、今年9月からは大規模な土木工事でインターネットを使った電子入札も
導入する。先月27日、市内土木工事業者を集めての説明会も開かれた。
一連の改革後、平均落札率(市の予定価格に対する業者の落札価格の比率)は05年度の94%が
06年度には87%、07年度には79%にまで減少した。受注価格が大幅に下がり、06〜07年度の
2年間で市は約7億円の支出が削減できた。
一方、事業者側からは不満が噴出している。市が市内建設事業者132社を対象にした今年2月の
アンケートでは、経営状況に「悪い影響あり」と答えた事業者が58%、工事品質に「悪い影響あり」は
22%あった。アンケートには「落札できても原価割れになることが多い」「職人の福利厚生もままならない」
といった悲痛な声が出ている。特に工事の性質上、土木工事業者に受注価格減少の影響が集中していた。
生駒市が全国に先駆け改革をした結果、他自治体の事業者が生駒市発注の工事に参加できるのに、
生駒市の事業者は他自治体の工事に参加できない事態が発生している。この点は特に「不平等」などの
声がアンケートにも挙げられていた。
苦しい事業者側の台所事情は工事現場に反映されている。改革後、市側はガードマン数不足など
事業者側の法令に違反した“節約”が増えたとの実感も持っているという。
そこで、市は今年5月に落札の最低制限価格を引き上げた。さらに、工事終了後に成績をつけて
事業者の評価に役立てたり、工事現場に出向いて抜き打ち検査をして品質低下防止や安全対策をしている。
市は「市内産業育成との兼ね合いなど、悩みは多い。しかし、改革は断固として進めたい」と話している。
終わり