高配当をうたったエビ養殖事業で2日、会長の黒岩勇容疑者(59)らが組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで逮捕された
ワールドオーシャンファーム(WOF)には、「詐欺のカリスマ」と言われた黒岩容疑者の“だましのテクニック”が凝縮されていた。
「匿名組合」「ネットワーカー」「ピラミッド型の会員組織」…。わずか「実働2年」で850億円もの金をかきあつめる巨大詐欺集団を作り上げた。(森浩)
「匿名組合は安心」
「うちは匿名組合だから安心です。絶対に損はしません」。黒岩容疑者をはじめWOF社員は「匿名組合」を前面に押し出し、
投資の“安全性”を強調した。300万円出資した都内の会社員の男性(53)は「何となく安心な取引だと思った」と振り返る。
匿名組合は商法で規定されている契約の一種。会員は「匿名組合員」として事業者に出資し、利益が上がれば配当を受け取る。
出資者にとっては、出資や配当に際して名前が公になることはなく、事業で損益が出ても責任が問われることはない。
一方、出資者は事業に口を出すことはできず、元本も保証されない。WOF被害対策弁護団副団長の米川長平弁護士は
「実際は出資者のメリットはゼロ。詐欺師のための道具でしかない」と憤りを隠さない。
結局、男性は300万円を出資したが、数万円の配当を受け取っただけ。「老後の資金をつぎ込んでしまった。
実は妻にまだ言えません」と肩を落とした。
「プロ会員」で急成長
カリスマ詐欺師の異名を取った黒岩容疑者は過去にも、2万人から400億円を集めたとされる健康食品会社
「IASプロデュース」(平成11年設立)などマルチ商法をいくつも立ち上げては、破綻(はたん)させている。
WOFの特徴として関係者が異口同音に語るのが、短期間に大規模な組織が完成した点だ。米川弁護士は
「本格稼働した平成17年から2年足らずで会員が4万人。豊田商事でも軌道に乗るには5年も掛かった。
黒岩容疑者が入念に計画を練っていたことがうかがえる」と解説する。
急成長に一役買ったのは「ネットワーカー」の存在だ。「プロ会員」とも呼ばれ、立ち上がったばかりのマルチ商法に参加し、
出資や会員集めを積極的に行う存在だ。「『今度は損をさせません』と以前破綻したマルチの会員を誘って、
食い物にする」(警視庁捜査員)。関係者によると、17年に、黒岩容疑者の誘いに応じるなどして、ネットワーカー十数人が
WOFに参加し、会員集めに奔走したという。
WOFでは、そうして集まった会員たちを出資額に応じて「組合員」「代理店」「エグゼクティブ代理店」などとランク付けして、
ピラミッド型の組織を形成。「決算報告会」と名付けたパーティーで上位ランクの会員を表彰し、競争心をあおっていた。
またフィリピンへの視察旅行や、有名芸能人のショーなども繰り返し実施。「マルチ商法のあらゆるノウハウが
詰まった詐欺集団」(捜査関係者)を形成していた。
MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080702/crm0807022055033-n1.htm 関連スレ
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