★ブランド牛も地震ストレス
地震の被害が大きかった栗原市で、特産のブランド牛「若柳(わかやなぎ)牛」に、
食欲減退や落ち着きがないなど、地震の影響とみられる変化が表れている。
ストレスを受けた牛の肉は赤みが増して値段が下がることから、
農家はストレスの解消に懸命になっている。
畜産農家の高橋啓さん(60)によると、普段ならのんびりと草をはんでいるはずの
牛16頭が、地震直後から8時間ほど、身動きもせず立ちつくし、その後、
鼻息を荒くして牛舎内を歩き回り始めたという。その後一週間、エサをあまり食べず、
今も、興奮した様子で歩き回ることがあるという。
若柳牛は1970年ごろ、黒毛和牛の交配種として飼育が始まり、
約70戸が約1500頭を飼育している。霜降りが多く、とろけるような
食感が特徴で、東京都内のホテルやレストランなどで提供されている。
「JA栗っこ」若柳牛肥育部会(栗原市)によると、通常、
市場価格は1キロ当たり2000〜3000円だが、ストレスなどで赤みが増すと、
半値程に下落する恐れもある。
今のところは、出荷された肉に目立った変化はないが、高橋さんは、
牛も人間と同様、アルコールや甘い物をとるとストレスが解消されるため、
干し草に焼酎や砂糖を混ぜるなどのストレス解消策を試みている。
「牛はかなり落ち着いてきた」という高橋さん。
7月上旬の出荷に向けて懸命の努力を続けている。
讀賣新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20080629-OYT8T00131.htm