北京五輪で日本選手団長を務める日本オリンピック委員会(JOC)の
福田富昭選手強化本部長は24日、けがの治療や疲労回復に効果があるとされる
「高圧酸素カプセル」の現地北京への持ち込みを禁止する意向を示した。
日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が先に、ドーピング違反の恐れがあるために使用自粛を促していた。
世界反ドーピング機関(WADA)規定の2008年禁止表国際基準に
「酸素摂取や酸素運搬、酸素供給を人為的に促進すること」が含まれるが、
「高圧酸素カプセル」による違反の事例は一度も報告されていない。
福田団長は、使用した証拠が残らない点を「グレーゾーン」としたが
「現地に持ち込まないように周知徹底していく」と述べた。
JOCのこの日の理事会で、日本選手団の上村春樹総監督が
「柔道の選手はけがの治りが早いので使っていた。禁止なのかはっきりしてほしい」と質問。
JADAの河野一郎理事長は「JADAとしてはJOCに禁止を求めたい。
五輪期間中に国際オリンピック委員会(IOC)医事委員会が、違反と判断する場合もある」と説明し、
JOCの竹田恒和会長は「IOCに問い合わせる必要がある」と話した。
◆高圧酸素カプセル 内部の気圧を1・3程度まで高め、酸素を体内に多く取り込めるカプセル。
中で1時間ほど横になり、多くの酸素を体液や血液に溶け込ませる。けがや疲労からの回復を早めるとされる。
サッカー元イングランド代表主将のベッカムや、早実高(当時)の斎藤佑樹投手らが使ったことで知られ、
使用するスポーツ選手は増えている。価格は1台400万円前後。
引用元
http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20080624-OHT1T00202.htm