世界天文年に当たる来年、日本各地の天文台が一斉に「宇宙人」探しに
乗り出すことになった。国内最大口径(2メートル)の光学望遠鏡を持つ
兵庫県立西はりま天文台(佐用町)の鳴沢真也主任研究員が、
24日から熊本県で開かれる日本公開天文台協会の大会で呼び掛ける予定で、
すでに10カ所近くから内諾を得ている。
全国規模で探査を行うのは、世界で初めての試みだという。
計画では、望遠鏡やアンテナを一つの星に集中させ、地球外文明からと思われる
信号を捕まえる。日本で唯一継続的に地球外文明探しを行っている西はりま天文台が、
星から発せられるレーザー光を監視。同時に、東海大学環境保全学科の
藤下光身(みつみ)教授(電波天文学)らが、星からやってくる電波の探知を試みる。
他の天文台は、目標の星に望遠鏡を向けて周囲の夜空をビデオ撮影するなどして
見つかった信号が、人工衛星などの人工物が出す信号や他の自然現象ではないか
どうかをチェックする。07年にてんびん座で発見された、地球に似ているとされる
太陽系外惑星のグリーゼ581cなどが候補になっている。
地球外文明を探す「地球外知的生命探査(SETI)」の試みは、60年代から世界各地で
行われ、謎の信号を受信したこともある。だが、別の施設で観測されないなど
再現性がなく、地球外文明による信号とは断定されていない。天体観測施設を持ち、
一般向けの観望会などを行っている数多くの公開天文台が参加することで、
データの信頼性を上げる狙いがある。
朝日:
http://www.asahi.com/science/update/0619/OSK200806190037.html