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東京・八王子市長実弟の会社 市の工事受注額最多

 黒須隆一・八王子市長の実弟が社長を務める黒須建設(八王子市元横山町)が、2年連続で
市発注の土木工事の受注総額が1位だったことがわかった。同市議有志10人は24日、同市
役所で記者会見を開き、「市長の親族企業がその公共工事で連続トップの受注というのは異常
な事態」と述べ、首長や議員の親族企業に市発注事業の受注自粛を求める政治倫理条例の制定
を目指すと発表した。一方、黒須市長は「私は公正にやっている」と反論し、現在保有してい
る同社の約26万株について「血がつながっているだけで疑惑の目で見られるなら、即刻手放
してゼロにする」と明言した。
 記者会見したのは、共産党、生活者ネットワーク、社民党、無所属の市議で、条例制定は9
月市議会で狙うという。議会の定数は40。
 同市によると、黒須建設は土木部門で、2006年度に5件約1億9200万円、07年度
は4件約2億7000万円といずれも総額で1位だった。
 07年度に契約が成立した同市の土木・建築工事は計212件あり、総額は約72億570
0万円。同社はうち随意契約を含め7件約4億3100万円を受注。金額は全体の約6%を占
めた。今年度もすでに3件約4億4900万円の工事を受注している。
 市議らは会見で「黒須建設は土木部門において、JV(共同企業体)案件を入れると、市内
業者の中で3年連続の1位」と指摘、市長の親族企業が受注額を伸ばしていることを問題視した。
 また、昨年から試験的に導入した総合評価方式の入札では、過去2年間の実績が評価点とし
て考慮されるため、「黒須建設にとって有利になる」と入札の問題点を指摘した。
 黒須市長は24日夕の記者会見で、政治倫理条例が制定された場合、「市長を辞めることも
選択肢のひとつ」と厳しい表情で語った。
 同市契約課は「入札に問題はない。黒須建設は市内の優れた事業者」と話している。
 黒須建設は1948年に設立され、資本金は1億円。関係者によると、黒須市長は役員では
ないが、大株主。黒須市長の実弟らが同社の役員を務めている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20080625-OYT8T00006.htm