同性婚を認めるカリフォルニア州最高裁の決定を受け、17日から州各地で
同性カップルへの結婚証明書の交付が始まる。
全米から押し寄せる同性カップルで多大な経済効果が見込めるとの予想まで
出る一方、11月の大統領選に合わせ同性婚の是非を問う州民投票の実施も
確定。保守派の巻き返しにも熱が入ってきている。
結婚を男女間に限定したカリフォルニア州法を、州最高裁が違憲と判断したの
は5月。この決定が今月16日に確定するため、同州各地では17日から
いっせいに婚姻届の受理と結婚証明書の発行が始まる。
米国ではすでにマサチューセッツ州が同性婚を認めているが、カリフォルニア州
は州民以外の申請も認めるとしているため、全米から同性カップルが大挙して
押し寄せると予想されている。
結婚産業はすでに思わぬ特需に沸いている状態で、州への経済効果は今後3年間
で日本円換算で680億円に上るとのカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)
の試算も出されるほどだ。
だが、州内の反応は歓迎一色ではない。
リベラルの牙城として知られるカリフォルニア州も、都市部を一歩離れれば強固な
保守層が存在する。保守派は5月の最高裁決定以前から、同性婚の是非を問う
州民投票の実施をめざし、必要とされる有権者の署名集めを進めてきた。
(続きは
>>2-10)
-ソース:産経新聞-
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080615/amr0806151633005-n1.htm
(
>>1の続き )
このほど、必要数に達したことが確認され、11月の大統領選と同時に実施するこ
とが決まったが、最高裁の決定でさらに世論の注目が高まる事態となり、大統領選
にまで影響を及ぼすのではないかとの見方も出ている。
同性婚反対派として署名集めなどの活動を行ってきた市民団体「カリフォルニア
家族協議会」のロン・プレンティス代表は、「同性婚に反対する有権者にとって、
投票所に足を運ぶ動機付けになることは間違いない」と指摘した上で、「共和党が
カリフォルニアで勝利する見通しは薄いが、万が一そんなことが起きれば、一発で
マケイン候補の勝利が確定する」と不敵な笑みを浮かべる。
2004年大統領選では、同性婚をはじめ、中絶、銃規制といった「社会的価値観」
が争点となることで保守派の票が掘り起こされ、結果的にブッシュ大統領再選に
つながったとされる。
大統領選の年である今年、またもや同性婚が論議となったことは、共和党側に有利
に働くだろう、というわけだ。
ただ、マケイン(共和)、オバマ(民主)両候補とも、中道層への配慮などから
同性婚を争点に取り上げることに消極的。
実際には大統領選を左右するほどの盛り上がりにはつながらないのではないかと
の見方も強い。
同性カップル側は意気軒高だ。ロス在住で、同性婚を求める訴訟の原告の1人でも
あるロビン・テーラーさんは、「決定を下した州最高裁判事の多数は共和党員。
わざわざ論議を呼ぶために同性婚を認めたのではないかという、陰謀論めいた推測
も出ている」としつつ、「陰謀であろうが何だろうが、チャンスは逃さない。
差別をなくすために徹底的に戦うだけ」と意気込む。ロビンさんはまもなく、
長年のパートナーと結婚式を挙げる予定だ。