7月から始まるテレビアニメの新番組20本が出そろった。11年ぶり4度目の「スレイヤーズ」と
3年連続3度目のアニメ化を果たした「ゼロの使い魔」を中心に展開する夏の注目作を追った。
■魔法ファンタジーのラノベ激突
夏アニメ新番組の本命は、本編と外伝を合わせて2000万部を誇るナンバーワン・ライトノベル「スレイヤーズ」だ。
最新作「レボリューション」(テレビ東京系で7月2日から)は、オリジナルストーリーが展開される。
「悪人に人権はない!」と言い切り、問答無用に強力魔法を放つ「ドラまたリナ」のコメディーに注目だ。
対抗は、同じ魔法ファンタジーとなる320万部ライトノベルが原作の「ゼロの使い魔 三美姫(プリンセッセ)の輪舞(ロンド)」。
平凡な高校生・平賀才人が異世界に「召喚」されて魔法使い・ルイズの「使い魔」となり、
冒険を繰り広げるラブコメタッチのファンタジーで、05年6月の連載開始からわずか4年で3度目のアニメ化となる。
顔を赤くしながら「あんたなんか好きじゃないんだから!」というヒロインの“ツンデレ”せりふの連発に、
メロメロとなるファンが続出しそう。チバテレビなどで7月6日から。
■安定感が武器のNHKアニメとノイタミナ
ラノベ原作の強力ファンタジー2作に続くのは正統派青春アニメ「テレパシー少女 蘭」(NHK教育で21日から)か。
映画化やNHKドラマ化もされた「バッテリー」のあさのあつこさんが手掛けた児童文学が原作で、
超能力を持つ中学一年生の少女・蘭が、超能力を持つ同級生の翠(みどり)やボーイフレンドの留衣(るい)とともに
不思議な事件を解決していくストーリーで、友情や信頼、恋など、心の交流の大切さを描き、オリジナル要素も加える。
絵の丁寧さでは定評のあるNHK放送の作品だけに“安定感”は抜群だ。
高視聴率をたたき出しているフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」からは、よしながふみさんの
マンガ原作「西洋骨董洋菓子店」(7月3日から)。甘いものが苦手なサラリーマン・橘が開店した洋菓子店に
一流のパティシエで橘の同級生の小野や、元ボクサーで超甘党の神田らが集う人生模様が描かれる。
01年には同じフジ系で椎名桔平さんらが出演してドラマ化されており、女性ファンからの支持は確実でこちらも手堅い。
■ゲーム会社発の作品も
伏兵的な存在なのが、アニメ「ワールド・デストラクション 世界撲滅の六人」(テレビ東京系)。
「獣人」に支配された人間が世界を滅ぼそうとしている砂の惑星を舞台に、温和な青年キリエが、
おてんばな少女モルテに引きずられて“世界撲滅”に加担するという「正邪」が逆の異色ストーリーに人気が集まりそう。
声優の宮野真守さんや古谷徹さん、坂本真綾さんの強力布陣で、セガのゲーム、アスキー・メディアワークスのマンガも発売されるなど、
強力なバックアップが強み。
出版事業が好調のスクウェア・エニックス。「ヤングガンガン」からは、人気美少女アクションマンガ「セキレイ」(チバテレビなど)が
登場する。2020年の「新東帝都」という未来の架空都市を舞台に、大学受験に失敗し2浪が決定した佐橋皆人と、
「セキレイ」と呼ばれる可憐な美少女戦士・結が、「互いに戦い合い、生き残ったものだけが世界の命運を手にする」
というサバイバルに巻き込まれていくストーリー。ゲームメーカーが手掛ける作品だけに、ファンからはゲーム化の期待もかかりそうだ。
■いぶし銀 人気作家のアニメ化
「鉄腕バーディー」は、「機動警察パトレイバー」のゆうきまさみさんのマンガが原作で、意外にもテレビアニメ化は初。
銀河連邦の女性捜査官・バーディーが、テロリストを追って地球まで来るものの、地球人の少年・つとむを過って殺してしまい、
バーディーは自らの体につとむの記憶と心を宿して、テロリストたちと戦うストーリーが繰り広げられる。テレ玉などで7月4日から。
ライトノベル、小説原作のアニメ化が目につく今年の夏アニメだが、「銀河英雄伝説」「創竜伝」などの人気作を持つ
田中芳樹さん原作の「薬師寺涼子の怪奇事件簿」もその一角だ。警視庁警視でスーパーセレブの薬師寺涼子が、
怪物が登場する奇怪な事件を次々と解決していくコメディータッチのミステリー。テレビ神奈川などで7月5日から。
そーす:毎日jp
http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20080614mog00m200016000c.html