オーストラリアで女性議員が暴力沙汰を起こしたと報じられ、ラッド首相は11日、問題の議員にカウンセリングを受ける
よう忠告した。これに対し別の同僚議員は、首相が女性議員にだけそうした忠告をするのは性差別だと批判している。
ベリンダ・ニール氏(45)は元労働組合幹部で、11月の選挙で選出された女性議員。マスコミ各社の報道によると、
先週ナイトクラブで従業員を脅し、フットボールの女性アマチュアリーグ試合では対戦相手を蹴ったとされる。
本人は、クラブ従業員を脅したという疑惑を否定。フットボールでニール議員に暴力的なタックルをされたという対戦相手
の主張も否定している。同議員はこの行為が原因で次の2試合の出場停止を命じられた。
この騒ぎを受けて日本を訪問中のラッド首相は11日にニール議員に電話し、このままでは政治生命に響きかねないと
して、怒りをコントロールするカウンセリングを受けるよう忠告。同議員はこの忠告に従うことにしたと記者団に語った。
しかしラッド首相の同僚である労働党のジュリア・アーウィン議員がこれに反発。労働党の党首だったマーク・レザム氏は
2001年にシドニーでタクシー運賃をめぐって運転手とけんかになり、相手の腕を骨折させたことがあるが、レザム氏は
カウンセリングを勧告されなかったと指摘した。
アーウィン議員は12日、国営ABCラジオに出演し「男性議員が攻撃的で強引なのは許されるのに、女性は従順で温厚で
あることを求められているようだ」と述べ、「これはニール議員だけの問題ではなく、ダブルスタンダードの問題だ」と訴えた。
これに対しオーストラリア初の女性副首相ジュリア・ジラード氏は、ラッド首相の忠告はニール議員のジェンダーとは
無関係だと弁護している。
ソース(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200806120028.html