政府が2009年度の創設を目指す消費者庁について検討している「消費者行政推進会議」
(佐々木毅座長)の最終報告書の全容が12日、明らかになった。
内閣府から、公共料金改定の是非の検討や物価高騰の防止などの「物価行政」を移管する
ほか、食品の安全性を科学的に分析する食品安全委員会も消費者庁の所管とする。
消費者庁は
〈1〉商品・金融などの「取引」の取り締まり
〈2〉製品・食品などの「安全」の確保
〈3〉製品・食品などの「表示」の適正化
〈4〉物価行政
??の4分野を主に担当する組織となる。同会議は13日にも最終報告を決定する。
物価の監視や安定を図る物価行政は、旧経済企画庁、01年の中央省庁再編後は
内閣府が所管してきた。ここ数年、景気低迷と同時に物価が下落する「デフレ」対策
に主眼が置かれていたが、最近の原油高に伴う食料品などの価格上昇が家計を圧迫し
ていることを重視。物価行政を消費者庁に一元化することで、物価高騰の際の便乗値
上げなどに対して機敏に対応する方針だ。
同会議の報告書では、物価行政を「消費者利益の擁護と増進のために不可欠」とし
て重点施策に据える。
鉄道やタクシー、バスの運賃の改定については、現在は国土交通省と内閣府が協議
した上で認可する仕組みになっているが、移管後は消費者庁が内閣府に代わって国交
省と協議する。消費者庁には、消費者団体の代表などが加わる委員会が設けられる予
定で、消費者の視点で値上げが適正かどうかチェックする。
物価高騰対策については、食料品など生活必需品の買い占めや、売り惜しみをする
業者に対し、売り渡しを指示する権限を内閣府から消費者庁に移す。
消費者庁は特定商取引法など約30本の法律を所管、内閣府の外局として150人
〜200人規模の体制で発足することが固まっている。他省庁への勧告権など強力な
権限を持ち、消費者行政の「司令塔」となる。
ソース▽
YOMIURI ONLINE(2008年6月12日14時34分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080612-OYT1T00486.htm