Bill Gates氏とSteve Ballmer氏は、ほぼ30年間の親友かつ
ビジネスパートナーである。しかしながら、特にBallmer氏が
最高経営責任者(CEO)の座に就任する以前は、Microsoft社内で、
どのように両者が権力を共有していくのかに関して、時には
大きく対立することもあった。
The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間6月5日に明らかにした、
ある両者の関係を巡る詳細な舞台裏についてのリポートからすると、
ある時は口論が非常に激しさを増し、意見の相違を解決するために、
他の取締役員が間に割って入らねばならないほどの事態に発展した
という。両者の権力闘争は、製品戦略をも徐々にむしばんでいった
可能性があり、重要な問題に関する意思決定の遅れを招いたとも
考えられる。
同リポートは、Gates氏が6月27日より、Microsoftでの日々の業務
から退くに至った経緯を説明するものともなる。
リポーターのRob Guth氏は、2000年にBallmer氏へとCEOの職を
譲ることを決断したにもかかわらず、Gates氏が社内での権力を
手放そうとしなかった様子を伝えている。Guth氏は、以下のように
記した。
ある時、Gates氏は、数人の同僚を思い切って擁護するBallmer氏
と怒鳴り合いとなった。あまりにも事態が悪化したため、Gates氏は
怒って会議の席を飛び出したと、その時に出席していた関係者は
語った。だが、しばらく後には、そのことをBallmer氏が「後悔している」
ようだったとも、同関係者は述べている。
両者が出席した会議では何度も、Gates氏が「依然として役職を
超えて幅をきかせていた。(中略)Gates氏は、他のエグゼクティブの
面前でBallmer氏の権力を削ごうと、自分や他のエグゼクティブが
語る言葉を用いて、皮肉にも介入しようとしてきた」と、同リポートは
伝えている。
それでもGates氏は、徐々に社内でナンバー2の座に甘んじる
ようになった。Gates氏は「私が変わらなければならなかったのだ」
と語ったと、同リポートは明らかにしている。
いまやGates氏が(Microsoftを)去る時が間近に迫っており、
Ballmer氏は自由に権力を行使できるようになる。「もはやGates氏
がどうしても必要になるというようなことはない。これこそが今後の
方針である。Gates氏を用いるのはよいが、Gates氏を必要とする
ようなことがあってはならない」と、Ballmer氏はWSJに対して語った
という。
先週、両者はD6カンファレンスのステージ上に一緒に登場して、
Microsoftの誕生の思い出にふけり、Windows Vistaに代わる
「Windows 7」など、将来の製品に関するディスカッションを展開した。
この舞台裏の逸話レポートは、非常に魅力的な読み物でもあるが、
おそらく最も衝撃的なのは、カギとなる製品開発を巡って、内部で
もめ事が生じていたことを明らかにしている点だろう。
CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20374753,00.htm