県内のタクシー事業者78社でつくる「県ハイヤー協会」は、今年10月をめどに県内全タクシー約1600台の9割にあたる、加盟社全
タクシー(計約1400台)の車内禁煙化に踏み切ることを決めた。タクシー車内の禁煙化は全国で進んでおり、業界側は売り上げ減を
不安視する声もあるが「従業員の健康面からも当然の措置」とおおむね歓迎している。全車禁煙が実現すれば東北では秋田、福島に
続いて3番目。
同協会や全国乗用自動車連合会によると、都道府県単位のタクシー全車禁煙は大分県が昨年6月に初めて実施。今月1日までに
計22都県で導入された。
県内の各事業者は5月1日現在、35社・253台が禁煙車に指定。受動喫煙の問題などから公共の場での喫煙が厳しく制限され、
同協会も県内でも全車両の禁煙に踏み切る必要があると判断した。
山形市の「山形タクシー」は、保有車両全51台のうち9台を禁煙車に指定。同社は「飲酒帰りの利用者など喫煙需要も多い」とする
が、「全県一斉に禁煙化できれば利用者の理解も得られるはず」という。
一方、タクシー団体に非加盟の新規業者参入が相次ぐ酒田市の「酒田合同タクシー」は、「新規業者も禁煙化しなければ、喫煙者分
の売り上げが減るかも」と懸念するが、「長い目で見れば、運転手の健康面からも禁煙に賛成」と評価する。
同協会は「足並みをそろえて取り組みたい」と話しており、今後、協会非加盟の個人事業者などにも協力を呼びかける方針だ。
県喫煙問題研究会の事務局担当の大竹修一医師(東北中央病院)は「当然の措置で遅すぎたとも言える。これをステップとして、
今後ほかの場でも禁煙化が進めばいいと思う」と話している。
(2008年5月30日 読売新聞)
ソース
ttp://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news/20080529-OYT8T00870.htm