★保証金詐取か高齢者など数億円 県警捜索、実態解明へ
全国で問題視されている「ロコ・ロンドン保証金取引」。
特定商取引法違反(不実の告知)の疑いが強まったとして、県警生活経済課は29日、
貴金属取引仲介会社「あさひアセットマネジメント」(東京都文京区湯島)の捜索に踏み切った。
預金口座を凍結するとともに、関係先から大量の資料を押収。
同社が顧客から集めた保証金をだまし取った疑いがあるとの見方を強め、捜査を進めている。
JR御茶ノ水駅から数百メートル離れたオフィス街の端。
あさひ社東京本社が入る雑居ビルに、社員が出社を終えた午前9時半ごろ、捜査員約20人が入り、
約6時間に及ぶ捜索が始まった。捜索終了から約2時間後の午後5時40分ごろ、
社員十数人に紛れるようにして、社長(36)が姿を見せた。
報道陣への声掛けには答えずにタクシーに乗り込んだ。
捜査関係者などによると、あさひ社は「金の取引はもうかる」「資金は分離管理しているから安心」
などと電話で説明し、関心を寄せた顧客にはすぐに営業マンを派遣し勧誘していた。
八千代市の60歳代の女性もコールセンターからの電話があった後、女性営業マンの訪問を受け、
07年9月に契約を結んだ。1月までに10回にわたって5300万円を投資したところで、
不審に思って弁護士を通じて交渉。約1600万円が「解約金」として戻ってきたが、
約3700万円の損失が出たという。県警によると、同社による被害は、首都圏や支店のある
愛知県周辺などの高齢者を中心に少なくとも数百人、数億円に及ぶとみられる。
3月に立ち入り検査を実施した経済産業省は、特商法違反の疑いがあるとみて、
行政手続法による行政処分(業務停止)を検討中。26日に県警に告発した。
全国消費生活センターなどによると、同取引を巡る相談は約2年前から急増し、
60歳代以上が約7割。取引業者は全国数百社に上るとみられるが、登録義務はなく
正確な数はつかめないという。苦情や相談の急増を受け、07年7月に特商法施行令が改正され、
同取引が規制対象に加えられた。
◆ロコ・ロンドン保証金取引◆
ロコ・ロンドンとは、ロンドンで受け渡しするという意味。
顧客から預かった保証金を担保に、ロンドンで行われる金の現物取引に売買注文を出し、
金価格の変動に応じて利益を得る。
少額で大きな利益につながる可能性がある反面、保証金を上回る損失を被るリスクがある。
讀賣新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080529-OYT8T00897.htm