週刊新潮今週号(20008年5月29日号)で取り上げていただいた「『産経新聞』だけじゃない 『経費削減』でサラリーマンは
つらいよ」の見出し記事について・・・続きです。
同記事中に弊社のベテラン社員と中堅社員のコメントが紹介されていますので、逐一反論してみます。
「小学生の子供じゃないんだから、いちいち『部長、歯医者に行ってきます』なんて言いにいけますか?」
→あの、まず黙って職場を離脱していいんでしょうか? 部署にもよるでしょうが、内勤ならふつう上司や同僚に言うでしょう。
外勤なら「みなし職場」なので必ずしも言う必要もないかもしれませんし、実際には勤務表をつけるときに事後承認でもいい
でしょう。でも、記者でいつ呼出があるか分からない部署なら上司に言いますよ。会社員として守るルールの範囲内じゃないか
と思われます。
ここまで言うと新聞社としては厳密過ぎるかもしれませんが、勤め人が医者に行くときは半休なり年休なりを取ったり、
遅刻や早退扱いにするのが、本来の姿ではありませんか。歯医者にそれは大げさだからせめて勤務時間からはずそうと
いうのは、100歩譲ってそんなにひどいことを言っているとは思えませんが・・・。むしろこれまでが寛大過ぎて、逆にそこに
つけ込んでいる例もあると社員の間で問題になっているとしたらどうでしょうか。
「これからは勤務時間中にちょっと人に会いに外に出る時も、事前にイチイチ許可を取らなければいけないんです。
申告しないで外出をしたら、『おまえ、さっき2時間ぐらい席を外していたけれど、どこで何をしていたんだ』と詰問されるように
なるんですよ。それじゃ一日中、椅子に座っていた方がいいや、ということになりますね」
→・・・。職場にもよりますが、そもそも勤務時間中に何も言わずに「ちょっと人に会いに外に出」ていいんですか?「それじゃ
一日中、椅子に座っていた方がいいや」ということは、この発言をした方は内勤の社員のようですが、内勤社員が2時間も
人に会う外出って「ちょっと」ですか? 1日の勤務時間を8時間としても、4分の1ですよ・・・。
「接待は2時間まで、というけれど、途中で『社の規則なので帰ります』と言って席を立ったら、笑い者ですよ」
→冗談としてはおもしろいですが、そんなことを会社が望んでいないことは、常識人なら分かるでしょう。上司が同席している
こともあるでしょうし、事後承認だってありうるでしょう。制度は原則を示し、運用はある程度、現場の裁量に任せるというのも
常識の範囲内ではないでしょうか。
「ウチは経費削減が至上命令だからね、削れるものは何でも削ろうということなんでしょうけどねえ」
→既述のとおり、残業代の原資は多めに確保しています。削れる残業代は削り、多く受け取るべき人に配分するのが
基本方針です。そもそも、いまどき「経費削減」を求めない会社がありますか? 厳密には、経費と人件費を分けて考えて
いただきたかった。弊社は今回の新制度導入でいわゆる残業代の予算を増やしています。
というわけで、記事中に出てくるコメントは、世間と常識が乖離している部分が多いうえ、自分が勤めている会社の状況認識
が甘く、自分自身にも甘い人のものとしか受け取れません。
「正しい制度に従うのはめんどくさいからイヤだ」というなら、時に世間様を批判する新聞社の社員としていかがかなものかと・・・。
私を含め、中堅から若手の社員は「ベテラン社員」よりだいぶ長く、産経新聞社に勤めなければならないので、会社がなくなっては
困ります。
新潮さんの今回の記事は、「経費削減でサラリーマンはつらい・・・」ということのようですが、その例として弊社の新制度を
取り上げるなら、失投です。バブル時代の幻影(経費使い放題!?)を追い求めている人には、なんでもかんでもつらいのかも
しれませんが・・・弊社の新制度はその好例にはならないんじゃないでしょうか。
同記事の中には、非常識というか、知識不足というか、前提が間違っているというか・・・的なご指摘がまだまだあります。
が、隣に座っている後輩が、このシリーズを3回は続けてくれと言うので、今回はここまでに・・・。
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/080524/med0805240138000-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/entertainments/media/080524/med0805240138000-n2.htm