★横須賀の米兵逮捕 地位協定の見直し急げ '08/4/4
予想されていたとはいえ、憤りを禁じ得ない。神奈川県横須賀市でタクシー運転手
高橋正昭さん(61)が刺殺された事件から二週間。きのう、県警は強盗殺人の疑いで、
米海軍横須賀基地に所属するナイジェリア国籍の一等兵(22)の逮捕にこぎつけた。
日米地位協定の運用改善が合意されて以降、起訴前の米兵身柄引き渡しは五例目となる。
米兵による犯罪が繰り返される度に問題となってきた地位協定のあり方を、あらためて
検証する必要がある。
今回の事件では、米兵名義のクレジットカードが車内に残されていたことから、
事件直後から関与が疑われていた。にもかかわらず、どうして逮捕まで時間がかかって
しまったのか。
当初、米兵は海軍当局の取り調べに対し、関与を否定していた。
殺害に使われた包丁から指紋が検出されていないなど、容疑者を裏付ける物的証拠も
十分ではなかったからだ。
一方で見逃せないのは、県警が求めていた直接の事情聴取がなかなか実現しなかった点である。
捜査員が聴取のため基地内に入ったのは、米側の身柄拘束から十一日後のおとといだった。
米側の捜査状況は随時、県警側に伝えられたとされるが、不満が残る対応といわざるを得まい。
きのうの日米合同委員会で、米側は身柄の引き渡しに同意。横須賀署に移された。
八月の原子力空母配備を控え、市民をはじめ世論の反発を最小限にとどめたいとの思惑も見え隠れする。
日米地位協定では、在日米軍人・軍属の容疑者は起訴まで米側が身柄を拘束し、
起訴後に日本側に引き渡すのが原則になっている。起訴前でも引き渡せるように運用が
改善されたのは、一九九五年の沖縄県の少女暴行事件がきっかけだった。
しかし、現状では殺人や強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪の場合に限られる。
しかも、米側の「好意的考慮」で身柄が引き渡されることになっている。つまり、
米側に引き渡す義務はなく、「好意」に委ねられているということになる。
米兵などが公務中に事件・事故を起こした場合は、米側に優先的な裁判権があるともされている。
見直しを求める声が出るのは、もっともだろう。
きのう米軍の駐留経費負担(思いやり予算)に関する新たな特別協定案が、衆院を通過した。
来月には自然承認される。本年度の日本側負担は千四百十六億円を維持するという。
「地位協定とは別」といわれても、釈然としない。
中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200804040154.html ▽関連スレ
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