★水俣病の客観診断法研究 「脳磁計」で、治療検証も
水俣病の客観的な診断法の開発や、治療法の効果検証などに役立てるため、
環境省は26日までに、「脳磁計」と呼ばれる最新の脳検査機器を使った
臨床研究に近く乗り出すことを決めた。
国立水俣病総合研究センター(熊本県水俣市)が4月以降、協力患者を募り、
九州大と共同で研究を開始、数年かけて結果をまとめたい考えだ。
水俣病は、メチル水銀によって神経が侵される病気で、
感覚障害や視野狭窄、聴覚障害、運動失調などの症状が出る。
脳や神経の特定部位が機能しなくなることが分かっているが、解剖しないと確認はできず、
患者の生存中には調べられない。
このため現在は、筆や針で患者の手を刺激する感覚検査や、視野検査などを組み合わせ、
医師が総合的に診断しているが、症状の感じ方は個人差が大きく、老化など別の原因で
同様の症状が出ることもあり、認定審査の客観性に限界があると指摘されていた。
脳磁計は、脳の活動に伴って発生する磁場を測定する機器で、外部からの刺激に、
脳のどの部位が反応しているのかをミリ単位で把握できる。
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008032601000130.html