イングランドのFA杯準々決勝の残り2試合が9日に行われ、2部カーディフがミドルズブラに2―0と快勝。
3部ブリストル・ローバーズを破った2部ウェストブロミッジとともに準決勝進出を決めた。波乱続出の今大会は
8日にも2部バーンズリーがチェルシーを破っており、下部リーグ3クラブの4強入りは100年ぶりの珍事となった。
開始9分でMFウィッティンガムが先制点。13分後にDFジョンソンがFKに頭を合わせてリードを広げた。
その後は焦る相手の反撃をしのぎ無失点。2部14位のカーディフがプレミア12位のミドルズブラを押し切った。
優勝した1927年以来、実に81年ぶりの準決勝進出。「1927という数字はいつも意識してきたけど、
われわれ自身の歴史も築きたい」。ジョーンズ監督はさらなる上位進出を誓ったが、今回の進撃は既に
世界最古のカップ戦に新たな歴史を刻んでいる。1908年以来、100年ぶりという下部3クラブの準決勝進出。
唯一のプレミア勢ポーツマスも79年ぶりの4強入りでまさに異例尽くしの大会となった。
「驚くべき結果が続いて素晴らしい大会になった」とはイングランド協会(FA)のベビントン広報部長。プロ・アマ共通の
トーナメント戦は下部クラブによる「ジャイアント・キリング(大物食い)」が魅力だが、特に今季はチェルシーと
リバプールが餌食となる大番狂わせ。またチェルシーとマンチェスターUは欧州CLで勝ち上がったクラブが直後の
試合で陥りやすい“燃え尽き症候群”に加え、主力を休ませるローテーションも重なって格下に星を落とした。
偶然も重なった。プレミア勢は例年通り3回戦から出場したが、対戦相手は抽選で決まるため、5回戦でマンUに
敗れたアーセナルなど8チームがプレミア勢同士のつぶし合いで敗退。一方で、この日3部ブリストルRを破った
ウェストブロミッジは一度もプレミア勢と当たらず4強に入った。モウブレー監督は「リーグ(2部)のレベルが高いんだ」と
強調したが、クジ運にも恵まれた。127回目を迎えた大会で下部クラブ同士の決勝は過去にないが、
もう何が起こってもおかしくない。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2008/03/11/10.html