大相撲春場所は9日、大阪府立体育会館で初日を迎える。力士急死事件で揺れる時津風部屋は
所属力士5人が出場停止。その余波で関取4人の付け人を同じ時津風一門の他の部屋から借りて
臨むことになった。前日は宿舎のある大阪・東成区の八王子神社で「祈願祭」を行い、
時津風親方(元幕内・時津海)や8力士が場所の安泰と奮起を祈った。
恒例となっている場所前日の「祈願祭」も、今年は特別な意味合いがあった。朝稽古終了後、
時津風親方と8人の弟子は宿舎を構える大阪・八王子神社の本堂に集結。土俵の安泰を祈るとともに、
15日間の奮闘を心に誓った。神妙な表情で神前に頭を下げた豊ノ島は「残った8人が土俵で頑張って
盛り上げるしかない」と決意を代弁した。
事件の余波は思わぬところに及んだ。逮捕された3人を含め、関与したとされる5力士が出場停止処分。
場所に出場できるのは関取4人と幕下以下の4人の計8人。通常、関取の付け人は2〜3人だが足りず、
陸奥、錣山部屋の好意で力士を借りることになった。関取4人衆はいつもと同じ数の付け人をつけることに
なったが、豊ノ島は「こういう形で借りるのは複雑です」と申し訳なさそうに話した。
支援態勢は一門だけではない。長崎の中華料理店「中央軒」も、今場所から時津風部屋力士の
取組に懸賞を提供することも決定した。8力士が悲壮な覚悟で臨む春の陣。名門に明るい光が
差し込む日はそう遠くはない。
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2008/03/09/06.html