ベトナム戦争で使用された枯れ葉剤の影響を受けたとされる結合双生児の
弟グエン・ドクさん(27)が、同世代の日本人デュオと一緒に歌った曲のCDが完成し、
10日から全国で販売される。売上金は経費を除き、ベトナムの福祉施設に寄付するという。
ボーカル参加を持ちかけたのは、宮城県気仙沼市出身の境恒春さん(28)と、
川崎市出身の和田尚悟さん(26)が組むデュオ「シクロ」。
ベトナムには、いまだに枯れ葉剤の影響に苦しむ新生児がおり、2人は日本での
演奏活動の傍ら、現地の福祉施設を慰問するなど被害者の支援を続けてきた。
そんな2人からCD制作の構想を知らされたドクさんは参加を快諾、昨年7月から
ホーチミン市でレコーディングを開始した。
ドクさんは、境さんらが作詞・作曲したCDタイトルと同名の「エンゼルス・ラダー」
(天使のはしご)の日本語、ベトナム語両パートを担当。立って歌うのは2時間が限界だが、
「今まで支援してもらった日本の皆さんに聴いてもらう曲だから」と、何度も自ら取り直しを
申し出たほか、録音には1日がかりで臨んだ。当時、死期が迫っていた兄ベトさん
(昨年10月死亡)を「天使」に重ねて熱唱したという。
今年は日越国交樹立35周年で、現地の著名歌手10人も収録に参加。
CDは8曲入り2000円で、国内の大手CD店で購入できる。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080304-OYT1T00822.htm