健康や長生きの“秘訣(ひけつ)”を探るため、県は有識者からなる
「健康長寿埼玉モデル検討チーム」を二〇〇八年度に発足させる。
一人当たりの老人医療費が県内で最も低い秩父郡小鹿野町を
「研究対象」に取り上げつつ、食や運動習慣への取り組みを全七十市町村で検証。
少子高齢社会の「在り方」を総合的な視座から示す方針だ。
埼玉県民の平均年齢は全国で四番目に若い。
一方で、今後は全国で最も速い度合いで高齢化が進むといわれる。
二年後の一〇年には、高齢化率(総人口に占める六十五歳以上の人口)は21%、
二〇年ごろには29%を超えると予想される。
現在約七百十一万人の県人口も一五年に七百万人を下回るといわれている。
秩父郡の西部に位置し大部分を山林が占める小鹿野町の高齢化率は
27%と県内で二番目に高い。一方で老人保健法の対象者約二千二百人
(原則七十五歳以上)の一人当たりの医療費は五十四万六千四百円(〇五年度)で、
県平均の同七十七万三千八百円を大きく下回っている。
町内には一九五三年に開設した町立病院や医院三件があるほか、
保健師八人、管理栄養士一人を配置する。
〇一年には介護予防拠点施設「般若の丘いきいき館」もオープンした。
町保健福祉課は「二十三の老人クラブ単位ごとに高齢者を施設へ送迎し、
ウオーキングや健康チェックも行っている」と特徴を語る。
町は「早い時期から医療と福祉を同時に取り組んできた」と強調するものの、
老人医療費が低い背景は「統計上の根拠は明確に分からない」という。
県が新年度から実施する調査では、生活習慣病や運動生理学などの
専門家で構成する検討チームが、県庁内の担当部局に協力を要請。
保健・医療などのデータを収集し、同町で医療費が低い背景を本格的に分析していく。
また、同居形態▽医療・保健従事者数▽住環境▽在宅死の比率
▽要介護度の状況―などを多角的に調査。
市町村で実現可能な県の支援策や健康長寿を目指した取り組みのモデルを提示したりする。
調査結果の公表などについて、県は具体的な数値目標を定めているわけではない。
県健康づくり支援課は「県5か年計画(〇七―一一年)の中で、
一年ごとに計画を見直ししたい」と説明している。
ソース
http://www.saitama-np.co.jp/news03/04/02x.html