県立高校61校(通信制課程を除く)で1日、卒業式が行われる。
全日制1万4374人、定時制151人の計1万4525人(前年比508人減)。この中には、
聴覚の障害と向き合いながら、努力を重ね、勉学や部活などの学校生活に積極的に
励んだ3人の生徒も。
「教師を目指す」「社会福祉士になりたい」など、将来への期待を胸に、思い出の詰まった
学びやを巣立つ。特別支援学校16校では、3日以降に卒業式が行われる。
◆球児一徹 根性培う/八重山農林高 伊良皆君
【石垣】八重山農林の伊良皆公佑君(18)=石垣市=は、三年間皆勤賞だ。「勉強が苦手。
休むと追いつかないので頑張っただけ」と照れ笑いを浮かべる。
生まれつき両耳が不自由。小、中学校は親元を離れ、北中城村の県立沖縄ろう学校に通った。
寮で暮らし、週末は島に戻り、地元の野球チームの練習で汗を流した。
「本格的に野球をやって、試合に出たい」という思いが強かった。「島で暮らしたい」とも。
苦難を覚悟の上で、飛び込んだ高校だった。
野球は最後の大会をサードコーチャーとして試合を見守り、出場はできなかった。
「厳しい練習でも辞めずに続け、自信になった」と後悔はない。
社会福祉士を目指し、沖縄国際大学に進学する。野球も続けたいと思う。「一人暮らしで
不安もあるが、これまでより広い世界で自分に何ができるかを考えたい。同じように障害の
ある人と知り合える仕事がしたい」
◆手話で紡ぐ思い出話/宮古農林高・新里君
生まれつき耳が聞こえないハンディがある宮古農林の新里勇太君=宮古島市上野。
障害に負けたくないとの思いから三年間は休眠中だった硬式テニス部の復活や手話サークルの
立ち上げなど積極的に活動してきた。達成感を胸に一日の卒業式を迎える。
卒業式を直前に控え手話を交えながら思い出を紹介した新里君。授業中に内容がつかめない
ときにはクラスメートが支えになったこと、重機やワープロの試験に挑戦したことなどを語った。
四月からは埼玉県の国立リハビリセンターに一年間入所。その後はペットトリマーを目指し、
専門学校に進む予定だ。「家族と離れる不安はあるが、新たな気持ちで頑張りたい」と話した。
ここまでのソース:
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200803011300_05.html (続く)
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◆筆談の先に友がいた/宮古高・砂川さん
先天性難聴の障害がある宮古の砂川彩奈さん=宮古島市平良=は遅れをとるまいと
毎日の家庭学習を続けた努力家だ。
「障害があっても努力と根性があれば何でもできる」が身上。同じ境遇の子どもを勇気づけたい
と中学教師を目指す。ほとんど聞こえないため同級生とは筆談も交えてコミュニケーションを
取った三年間。一番の思い出は二年生二学期の期末テスト。
連日深夜まで勉強を重ね全九教科中八教科でクラストップとなった。努力が実ったことに
「うれしかった」と振り返る。四月からは沖縄国際大学法学部に進学する。「先生や友人には
感謝の気持ちでいっぱい。通い慣れた校舎を去るのは少し寂しいが、前に進んで自分の道を歩みたい」
ソース:
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200803011300_05.html 沖縄タイムス 2008年3月1日
依頼スレ#434より