インターネットを流れる情報量が増えて通信速度が遅くなる「ネット渋滞」を緩和するため、インター
ネット接続業者の約4割が一部利用者の通信量を制限していることが、日本インターネットプロバイ
ダー協会などの調査でわかった。
利用制限は、回線を長時間つなぎっ放しで動画など大量のデータをやりとりする「ヘビー・ユーザー
(大量利用者)」が対象だ。しかし、回線などの整備は通信量の急増に追いついていない。今後、動画
の視聴が広がれば制限対象が広がって不満が拡大しかねず、対応が急務となっている。
インターネットの利用制限は、接続業者が大量利用者の回線を流れる情報量だけを制限したり、送
受信の優先順位を遅らせたりして行われている。
調査は昨年11月後半、同協会が電気通信事業者協会など4団体を通じてアンケート形式で実施した。
回答した276社のうち69社が自社の回線で利用制限を行っており、こうした事業者から設備を借りて
いる事業者を含めると計106社が利用制限を実施していた。さらに29社が「検討中」と答えた。制限の
実施、検討の理由は「利用者間の公平性確保」が5割強で最も多く、「サービスの質確保」も2割弱あっ
た。
接続業者などは、通信量が一定以上になると利用を制限する場合があることを、あらかじめ利用契約
時の約款に明記している。このため、利用制限そのものは違法ではないが、制限を実施している69社
のうち26社が大量利用者などから「通信速度が遅くなった」などの苦情を受けていた。
一方、69社のうち64社は「全体の通信速度が改善した」「一般利用者からの苦情が減った」など、効果
があったと答えていた。
ソース:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080303-OYT1T00002.htm?from=main2