福岡市内の賃貸マンションで「家賃の振込先が変わった」として、
別の銀行口座を指定する虚偽の文書が郵便受けに次々と投げ込まれていたことがわかった。
確認されただけで中央区のマンション3棟計110戸に配られ、
管理会社から相談を受けた福岡県警中央署は悪質な振り込め詐欺の手口と断定。
口座を凍結して住民らに注意を呼びかけている。
同署やマンション関係者によると、文書はA4判1枚で青い無地の封筒に入っていた。
2月26日朝、同区警固、今川のマンション計3棟で見つかった。
内容は同一で、各マンションの管理会社名で「家賃振込先変更のお知らせ」と題し、
「皆様に現在ご使用頂いております家賃システムに関しましてご変更いたします」と説明。
新たな振込先として銀行支店名、口座番号、名義人の名前をカタカナで記していた。
さらに「今月からなので、お間違いありませんようお願いします」と念押ししている。指定口座は3件とも同じだった。
いずれのマンションも、不審に思った住民の照会を受け、管理会社が中央署に届けた。
同署は文書が見つかった26日のうちに「犯罪の疑いが強い」として銀行に口座凍結を要請。
現在のところ、実際に振り込んだ人はいない模様だ。
マンション住民の会社員男性(56)は「文面はしっかりしていたが、封筒に差出人の名がなくておかしいと思った。
お年寄りなどでだまされる人もいるかもしれない。許せない」と憤っていた。
同署は「被害防止には一刻も早い口座凍結が不可欠。
不審な文書を見たらすぐに管理会社や警察に連絡してほしい」としている。
読売新聞九州発:
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_08030205.htm