4月に始まる「特定健診・保健指導」(メタボ健診)の一環で、企業が実施する職場健診での
腹囲測定について、厚生労働省は着衣のままの測定や健診会場での自己測定を認める
ことを決め、都道府県に通知した。
腹部を出すことへの抵抗感による受診拒否を避けるためというが、専門家からは「正しく
測定できるはずがない」との声が上がっている。
メタボ健診は40〜74歳が対象。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策として計画され、
男性85センチ以上、女性90センチ以上という腹囲の基準が注目を集めた。
国民健康保険加入者には自治体などが実施し、健康保険の場合は職場健診に含められる。
4月以降の職場健診について同省は今年1月、労働基準局長名で「腹部の露出など労働者の
プライバシーに配慮が必要で、簡易な測定方法を導入する」と通知した。
着衣の上からの場合は、実測値から1.5センチ差し引く。
同省労働衛生課は「着衣といっても肌着1枚程度。受診拒否されると困るという事業者からの
声もあり、より受けやすい体制を考えた」と説明する。
一方、自治体などが実施する健診については、同省生活習慣病対策室は「着衣の上からの
測定は想定していなかった。通知を準備中で、腹囲の測定方法を含め整理中だ」と説明。
同じ制度の健診が違う測定法で行われる可能性がある。
自己測定の精度にも疑問がある。北里研究所病院(東京都港区)が英医学誌「ランセット」に
発表した論文によると、測定法を学んだ医師や看護師が同じ人の腹囲を測っても、測定者に
よって最大7.8センチもずれた。
メタボに詳しい大櫛(おおぐし)陽一・東海大教授(医療統計学)は「メタボ基準はそもそも
科学的根拠がなく、専門家の批判や受診者の抵抗もある中、厚労省はどうしても健診を
進めるために精度を自ら捨てているのではないか」と批判している。
ソース:
http://mainichi.jp/select/today/news/20080302k0000m040105000c.html 毎日新聞 2008年3月2日 2時30分
依頼スレ#368より