競泳の女子二百メートル自由形で、世界競泳の日本代表入りを果たした17歳の
田井中千加(イトマン京都)が力を伸ばしている。昨年の日本ランク3位で、
「高校生のうちに五輪を経験したい」と北京五輪出場に意欲を見せる。
素質は十分だった。小学1年から指導する上野昌宏コーチが50メートルを泳がせた時に、
最初と最後の10メートルで同じ泳ぎができる田井中の長所に気づき、「将来、距離が
伸びてから力を発揮する」と長期展望で育てた。そして昨年、才能が開花。日本選手権では
自己最高の2分1秒21をマークして3位。初の代表入りを果たした。
このタイムでは、個人種目での五輪出場は遠い。しかし昨秋、日本水泳連盟が派遣の
標準記録としてリレー用のタイムを新設。日本が出場権を獲得している女子八百メートル
リレーでは、代表選手選考会を兼ねた4月の日本選手権で、二百メートルの上位4人が
好タイムを出すことを条件に、チャンスが広がった。「日本選手権では4位以内ではなく
優勝を狙う」と目標を高く掲げた。
上野コーチは「持ち前の強い腕のかきに加え、キックの強化等でまだまだ速くなる。
将来は千葉すずの日本記録(1999年樹立の1分58秒78)も狙える」と先を見据える。
個人種目で、男女合わせて最も古い日本記録を塗り替えることを目標に“北京切符”に挑む。
http://osaka.yomiuri.co.jp/sp_others/20080227ks04.htm