パーキンソン病の治療薬を服用した患者が、車の運転中に突然眠り込んだために起きた
交通事故が、1996年からこれまでに23件あったことが、製造販売元2社のまとめでわかった。
うち18件は、日本べーリンガーインゲルハイムが2004年1月に発売した「ビ・シフロール」
(一般名プラミペキソール)で起きており、同社は、厚生労働省の指示で医療機関に文書を配り、
注意を呼びかけている。
患者が交通事故を起こした薬は、ビ・シフロールのほか、同社の「ドミン」(同タリペキソール)、
グラクソ・スミスクラインの「レキップ」(同ロピニロール)で、両社は注意を強めるよう
使用説明書も改定した。
日本べーリンガーインゲルハイムによると、3年半にわたりビ・シフロールを服用していた
40歳代の女性は、時速50キロ・メートルで走行中に眠り込んでガードレールに衝突し、
車は大破してあごにけがをした。事故前から、前兆もなく突然眠ってしまうことがあり、
事故後に薬を変えたところ症状は消えた。
この薬の服用開始後、1か月未満で起きた事故は3件、1〜3か月では3件、6か月以上
たってからも5件起きていた。承認申請のための臨床試験でも、1件報告されていたという。
ドミンでは、1996年6月の発売後4件発生。レキップは、06年12月の発売以来、
1件が確認されている。
両社は「服用中には車の運転だけではなく、機械の操作や高い所での作業は
控えてほしい」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080227-OYT1T00770.htm