車輪が「ハの字」形に大きく傾いた競技用の車いすを自在に操り、ボールを追う。
車いすバスケットボールサークルだが、メンバー21人全員が健常者。
過去6回の大学選手権で3回優勝を果たした強豪だ。
「集中!」。金曜の夜、練習が始まると、大学の体育館に大きな声が響いた。
マークする相手の動きに合わせて車いすの向きを素早く左右に変える。
ゲーム形式の練習では、衝突の勢いで車輪同士が絡まったり、バランスを崩して転倒したり。
見ているこちらがひやりとする。
看護学科1年の河島収美さん(19)が入部を決めたのは「強いし、かっこいいから」。
高校時代はバスケ部だった。声を掛け合い仲間と助け合わないと守れない点がだいご味という。
「障害者のスポーツだと思っていたけど、今は障害があってもなくてもできるスポーツだと思う」
新品の競技用車いすは1台20万〜30万円もする。
県内の障害者チーム「埼玉ライオンズ」や先輩から譲り受けた中古品を、修理しながら大切に使う。
3年生の主将井川大樹さん(22)は「純粋にスポーツとして見て面白いし、やって楽しい。
サークル名どおり、競技の輪を広げていきたい」。
〈メモ〉
障害者チーム「埼玉ライオンズ」の練習を手伝うボランティアサークルとして01年に発足。
障害の重さを点数化して公平を期すルールもあるが、
大学選手権では健常者の割合が多いため点数制を用いない。
ソース
http://www.asahi.com/edu/university/kiwameru/TKY200802190264.html