川口、草加、越谷の三市の市境地帯を流れる綾瀬川と伝宇川で十一日、市民グループ
「綾瀬川を愛する会」が自転車やバイクを釣り上げる清掃活動を行った。結果は「大漁」。
綾瀬川では自転車六台とバイク六台。伝宇川では自転車十台とバイク一台を釣り上げた。
綾瀬川の現場は、川口市の戸塚綾瀬小学校裏の左岸。対岸は越谷市七左町。
すぐ下流が草加市新栄町。伝宇川は綾瀬川の右岸側に沿った形でつかず離れず
草加方面へ流れる。冬は水量が少なく汚れが目立ち、自転車などの大きなごみが
哀れな姿をさらしている。
快晴に恵まれ午前九時から作業開始。川口や草加市民の同会メンバーら男女十三人が参加した。
夫妻で参加した杉本幸子さんは「この川で、うちの子どもたちはザリガニを取ったり
魚釣りをして育った。いまは汚れてそんなことが全く出来ない。きれいな川に戻したい」と話す。
綾瀬川で釣り上げたバイクにはなぜかほとんど草加ナンバー。警察の調べでうち
四台が盗難車と分かり、武南署員がトラックで引き取った。被害者はいずれも
草加市民で、草加署に盗難届を出していた。
釣り上げ作業の主役は、造園業の豊田利夫さん(63)が操縦するクレーン付きの
四トントラック。力持ちで頼りになる。「行政が手を出さないから、見かねて始めた。
三年前はもっとひどかったね。手に負えないものがたくさんあった」と
徳原隆一郎さん(74)は振り返った。
元会社員の川合力さん(73)は「この活動は三年前に亡くなった宍倉清さんと、
ぼくらが八年前に始めた。ぼくが一番古くなってしまった」とちょっぴりさびしそう。
同会の代表、幾島淑美さんは「道行く人の中には私たちに『ありがとう。ご苦労様です』と
言う人がいた。川のことに関心を持っている人が増えていると感じた。
ありがたいことです」と話していた。
http://www.saitama-np.co.jp/news02/16/07l.html