飯塚市教委は、小学校全22校の低学年(1〜3年)の学級について、
2008年度から1学級35人以下で編制する方針を決めた。国の学級編制の基準は1学級40人だが、
市町村には弾力的な運用が認められているため、「教諭が児童に目が行き届く、きめ細かな指導を実現させたい」
として、少人数学級を導入する。
学校教育課によると、現在は国の基準に沿い、1学級の児童数が40人を上回らないように編制している。
例えば、1学年の児童数が150人の場合、37人か38人の学級を四つ編制。これが1学級35人以下になると、
30人の学級を五つ編制するため、学級数は増える。
新1年生を迎える08年度の学級数は、基準が40人なら22校で124学級だが、
35人以下では22校のうち8校で11学級増え、計135学級になる見通し。
このため、市は独自に講師11人を雇用し、増える学級の担任に充てる。08年度一般会計当初予算案に
人件費5400万円を計上した。
市内の頴田小、頴田中は、旧頴田町時代の05年度に認定された国の構造改革特区で
「24人以下学級」を導入し、合併後も継続してきた。しかし、特例を市全域の学校に広げるのは財政的に困難だが、
2校だけ継続するのも「教育の公平性に欠ける」として、市教委は07年度末で廃止する方針を示していた。
頴田小、頴田中の2校の少人数学級に費やしたのと同じ予算額で、
小学校低学年の「35人以下学級」を実現できるため、導入を決めたという。
同課は「少人数学級が実現すれば、教諭の指導がきめ細かくなり、児童の学力向上にもつながる。
1年生が集団生活になじめない『小1プロブレム(問題)』にも対応したい」としている。
(2008年2月14日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20080213-OYT8T00654.htm