2月4日(ブルームバーグ):債券ブローカーでヘッジファンド運用者のジョン・デバニー氏は4日、
証券化関連会議での討論会で、「国際的な大手投資銀行」が破たんする確率が最大で5分の1
はあるとの見方を示した。
同氏は、政府支援機関(GSE)のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)やフレディマック(連邦住宅
貸付抵当公社)の保証のない住宅ローン担保証券で、担保がサブプライム(信用力の低い個人
向け)ローンでないものによって、銀行が一段の損失を被る恐れがあると指摘した。
ユナイテッド・キャピタル・マーケッツ・ホールディングスの最高経営責任者(CEO)の同氏は、
住宅ローン関連証券投資の失敗で保有するヨットを売る羽目に陥った。
同氏は「事態は日に日に悪くなっていく」として、住宅ローン関連証券の価格下落は「サブプライム
危機以上の問題かもしれない」と述べた。
デバニー氏が討論会の後にインタビューで語ったところによると、GSEの保証のない住宅ローン
証券の価格下落は過去2カ月に加速した。討論会では、格付け「AA」の証券が額面1ドルに対して
20セントで取引される場合もあると指摘した。
同氏は昨年、少なくとも1人の顧客の資産で35%超を失い、ファンドの解約を停止した。同氏は、
一部の住宅ローン関連証券は割安だとして、「ヨットを売った理由の1つは、全資金を使って第二
抵当権を担保とした証券を額面1ドルに対し30セントで買うためだった」と述べた。
同氏はホームエクイティ(住宅資産担保)ローンを担保とした格付け「AAA」の証券を指して語った。
一方、同討論会でメトロポリタン・ウェスト・アセット・マネジメントの仕組み金融商品トレーダー、
スコット・オースティン氏は、住宅ローン・商業用不動産ローン担保証券の真の価値が完全に明らか
になるのは数年先のことになるだろうとして、「相場が行き着くところまで行かないと分からない
不確定要素がある」と語った。また、ドイツ銀行のマネジングディレクター、フランク・バーン氏は、
多くの種類の仕組み金融商品の割安な相場にもかかわらず、新規の投資家は慎重だと述べた。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aCyGFatpI9qY&refer=jp_japan