旧ソ連の著名反体制活動家、サハロフ博士を記念したモスクワの民主派拠点、サハロフ・センター
と併設博物館に18日、検察の家宅捜索の手が入った。博物館が昨年3月に開いた絵画展「禁じら
れた芸術2006」が「憎悪をかき立てた」との刑法違反容疑である。
同展は2006年に国内美術館で出展を拒否された作品約20点を紹介。中には、十字架にレー
ニンの顔を張りつけたものや、ロシア正教の絵画にミッキーマウスをあしらったものがあり、露骨
な性的表現も目立った。
これに、ロシア正教系団体やナショナリストが「信仰心を侮辱された」といきり立って激しい抗議
行動を展開し、検察当局に告発するに至った。
全作品は白壁に覆われて、それらの作品を小さな穴からのぞく方式であり、「未成年者や見たく
ない人への配慮は十分にした」(サマドゥロフ所長)というのが、センター側の反論だ。確かに、正教
と検察の動きには政治臭がプンプンする。
もっとも、私は率直なところ、出展作品に芸術性や品格を感じられず、ボンネル博士夫人も「この
展覧会を開く意味はない」と否定的な見解を示していた。同所長は「今のロシアでどんな作品が“検
閲”されているのかを明らかにしたかった」とも説明してはいるものの、当局の“揚げ足取り”を招い
た同展の開催には賛否半ばしている。(遠藤良介)
依頼554
ソース:MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080123/erp0801230349001-n1.htm