香美町香住区森、矢田川の亀居井堰(いせき)で昨年春に魚道が完成し、昨年秋から
十二月にかけて、サケが遡上(そじょう)する姿などが住民らに相次いで目撃された。
以前は同井堰より上流では見られなかったといい、改修の効果が現れたことに住民らは
「元気な川に戻ったようだ」と喜んでいる。(岩崎昂志)
魚道は以前からあったが、二〇〇四年の台風被害などで傷みが激しく、アユやサケなど
が遡上しにくくなっていた。改修は、同区の長井小学校区の住民らでつくる「三谷大谷矢田川
を愛する会」や矢田川漁協などが同町に要望していた。
二〇〇六年、国などの中山間総合整備事業の一環で、同町が井堰の整備を開始。
総事業費は約二千五百万円で、〇七年三月末までに完成した。
井堰は河口から約三・五キロで、落差は最大一・七五メートル。魚道には、岩石を模した
コンクリート製のプール六個を段差を付けながら扇状に並べ、幅約十六メートルに渡って
魚が遡上するための間口を設けた。
愛する会会員で、井堰より上流で泳ぐサケや産卵後の死がいを確認した同区三谷の
山守正信さん(69)は「改修前は見たことがなかった。新しい魚道の効果だ」と話している。
同町では今後、亀居井堰より上流の三つの魚道も改修する予定で、
さらなる魚の遡上が期待されている。
http://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/0000806314.shtml