大相撲初場所9日目は21日、両国国技館で行われ、横綱・朝青龍が気迫の相撲で関脇・安馬を下し、
1敗を死守した。しかし、終始ご機嫌斜めの横綱は勝ち越しの印象を聞かれても女優、沢尻エリカばり
の素っ気ない受け答え。久々にふてぶてしさも復活し、後半戦の追い込みに意欲を燃やした。全勝の横
綱・白鵬は平幕・若の里を豪快に投げ捨てて9連勝。1敗は朝青龍と平幕・旭天鵬。2敗に平幕・朝赤
龍、鶴竜、普天王の3人となった。
土俵外では騒動が起きなくても、希代の千両役者はちゃんと見せ場を用意していた。安馬を下して昨
年名古屋場所以来となる給金直し。支度部屋で「ホッとしましたか?」と印象を問われた瞬間、仏頂面
の朝青龍の口から驚きの一言が飛び出した。
「別に…」
これぞ、司会の元女子アナも絶句したエリカ節。昨年秋に女優の沢尻エリカが、ぶっきらぼうにつぶ
やいた名文句に周囲は度肝を抜かれ、しばらく静寂が続いた。朝青龍は最後まで不機嫌モードを貫き、
周囲を見回しながら「チッ」と吐き捨て、支度部屋を後にした。
報道陣の前ではふてぶてしさを全開させたが、肝心の土俵では冷静さを失わなかった。この日も立ち
合いで踏み込めず、安馬の右のど輪で体を反らされた。しかし、左上手を取って、じっくりと体勢を整
えると、最後は内無双を試みながら絶妙のタイミングで投げ捨てた。苦戦しながらも1敗をキープし、
全勝で走る白鵬を追走。綱渡りの相撲は続くが、北の湖理事長(元横綱)は「必死さが強く出ている。
結果を出さなくてはいけないという気持ちも強い」と評価。朝青龍も「(安馬は)しぶといね。乗せる
と何をするか分からないし、マイペースでいかなければと思った」と相手の成長を認める余裕ものぞか
せた。
最強のヒール横綱に9日目にして“らしさ”が戻ってきた。師匠の高砂親方(元大関・朝潮)も「あ
いつから激しさを取ったらただの相撲とり」と擁護し、朝青龍も「これからが大事だからな」と荒々し
く反攻を宣言した。今後もその品格のなさを糾弾する声は収まる気配はないが、ドルジ様は「そんなの
かんけーねー」と、わが道を突き進む。
スポニチ
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