【ローマ19日共同】
盗掘などで不法に海外に持ち出された美術品回収を進めるイタリア政府は18日、
米ニューヨークのメトロポリタン美術館から返還された紀元前515年ごろの
古代ギリシャのつぼを報道陣に公開した。
つぼは同美術館の目玉の1つとされ、ルテリ文化相は「歴史的な成功だ」と成果を強調した。
AP通信などによると、イタリアとメトロポリタン美術館は長年にわたって
つぼの返還交渉を重ね、2006年にイタリアが同等の美術品を美術館に貸し出すことを条件に合意、
このほど返還された。
ワインと水を混ぜるために用いられたつぼはローマ近郊で盗掘され、
1972年に同美術館が100万ドル(現在のレートで約1億700万円)で購入していた。
イタリアは、古代の美術品は国家に属すると定めた39年の法律を盾に各国の美術館などに返還を要求。
同国の美術品の長期貸し出しに応じるなどの「アメ」を提供することで成果を挙げており、
先月にはこれまで返還された美術品60数点をローマで一般公開した。
ソース:中日スポーツ
http://www.chunichi.co.jp/s/chuspo/article/2008011901000148.html