この冬は、原油高騰の影響で多くの企業や家庭が、暖房用灯油などの高値に悲鳴を上げている。
こんな中、高森町牛牧の日帰り温泉施設「御大(おんたい)の館」は、経費削減と地球環境保護を
狙って、植物油や車のエンジンオイルの廃油を燃料にするストーブを試験導入している。 (須田唯仁)
施設を運営する高森町まちづくり振興公社が、省エネ関連器具の開発を手がける喬木村の
松島光陽化学に相談。昨年十二月中旬に、北海道石狩市のメーカーが開発した廃油ストーブ
一台を、館内暖房用に約六十万円で設置した。
ストーブに使う燃料は御大の館と併設の宿泊・宴会施設「湯ケ洞」調理場から出るてんぷら油の
廃油をそのまま利用できる。廃油をガス化し燃焼させる方式で、運転音もなく、熱効率が高いのが
特徴で、二階休憩室の中央に置かれたストーブの周りでは、多くの入湯客が気持ちよさそうに、
暖を取っている。
公社職員によると、一日十二時間運転で、約二十四リットルの廃油が必要になり、施設から出る
分で足りなければ、業者から購入(一リットル約四十五円)することになる。だが「従来のLPガス
燃焼のエアコンに比べれば、燃料費はぐっと抑えられそう」と話す。
仲介した松島光陽化学には「御大の館で見た」と、温泉旅館や食堂など大量の食用油を扱う
施設からの問い合わせも多くあり、実際に導入した施設もあるという。
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20080119/CK2008011902080511.html