【バンコク藤田悟】
17日付のミャンマー国営紙によると、最大都市ヤンゴンの北東約100キロのピンボンジーで、
道路わきに止まっていたバスに仕掛けられた爆弾が爆発し、車掌の男性1人が死亡した。
ミャンマーでは11日以降、鉄道の駅などで爆破テロ事件が相次ぎ、これで4件目。
昨年9月にヤンゴンで僧侶らによる大規模デモが武力で封じ込まれて以降、
弾圧に対する国民の不満が蓄積しており、軍事政権を揺さぶることを狙った広域テロの可能性が高い。
また、少数民族武装組織による新戦略との見方も出ている。
事件当時、バスは東部カイン(カレン)州境からヤンゴンに向かう途中で、
乗客は食事のため外に出ていた。当局者は「バスは満員で乗客が中にいれば多数の犠牲者が出ただろう」と話している。
これまでの爆破テロは
(1)11日未明、新首都ネピドーのピンマナ駅で女性1人死亡
(2)11日夜、中部ピューの競技場で男性1人死亡、4人負傷
(3)13日午後、ヤンゴン中央駅で女性1人が負傷−−と続き、徐々に広域化している。
いずれも犯行声明は出ていない。
国営紙は一連の事件について「国外の組織がテロリストを送り込んでいる」と主張している。
ピューの事件では「爆弾を仕掛けようとしていた男が誤爆死し、
男は反政府武装組織、カレン民族同盟(KNU)のメンバーだった」と報じ、爆破テロへのKNUの関与を示唆している。
05年5月にヤンゴンで23人が死亡した爆破テロが発生した際も、軍事政権はKNUが関与したと非難した。
KNUは国軍との和平を拒否して抵抗を続ける国内最大の少数民族組織で、一時は2万人の戦力を持った。
国軍による掃討作戦で現在の勢力は5000人以下に落ちたとみられているが、
タイ国境付近の山岳地帯を拠点に抵抗を続けている。
昨年9月のデモ後、軍事政権は、タイに亡命している元学生活動家のグループがKNUの支配地を経由して
国内に潜入し、僧侶らに活動資金を提供したとの情報を発表した。
ヤンゴン市民の間では、真偽を織り交ぜたさまざまな爆弾テロのうわさが飛び交っており、動揺が広がりつつある。
ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080117-00000099-mai-int