不倫相手の女性に頼まれ女性を殺害し、嘱託殺人の罪に問われた71歳の男の判決公判が16日に開かれた。
千葉地裁では、「視野の狭い短絡的な犯行」と断罪し、懲役4年の実刑判決が言い渡された。
2007年12月17日、江本義吉被告(71)は「離れたくなかった。2人の心は凝縮されていた」と、
初公判の法廷で殺害した女性への思いを語っていた。
不倫関係にあった当時58歳の主婦を絞殺し、嘱託殺人の罪に問われた男に16日、懲役4年の判決が言い渡された。
2007年10月2日夜、千葉・山武市の空き地に不審な車が止まっているのを警察官が発見した。
車からは、強烈な異臭がしたという。
運転席の男は「殺した。死体がある」と、興奮した口調で警察の職務質問に答えたという。
助手席の足元には、上半身にタオルがかけられ、後ろ向きに置かれた腐乱した女性の遺体があった。
女性は、千葉・大多喜町の主婦・宮崎 てる子さん(当時58)で、死後2カ月が経過していた。
そして、逮捕されたのが江本被告だった。
宮崎さんは、2人の子どもの母で、夫を支える妻だったという。
宮崎さんの友人は「家族思いで、すごくいい人。『お父さん(ご主人)が年をとっても、面倒は絶対みるよ』って、
よくわたしに言ってましたしね」と話した。
一方、江本被告は、宮崎さんと同じ町に住んでいた。
江本被告の家の近所の人は「(以前)女の人と、なんか逃げちゃったらしいんですよね。
それで、突然帰ってきたんですよね。奥さんと息子さんが出て行っちゃったんですよね。
それから1人暮らしで、ずっと」と話した。
2007年12月17日、初公判の検察側は、冒頭陳述で
「被告人は、1994年ごろ、被害者と密会を重ねるようになり、1996年ごろには、被害者と関係を持つようになった」と述べていた。
そして2006年9月、2人は一緒に働いていた職場で、告白をしたという。
元勤務先の上司は「(江本被告が)2人の関係を内証にしておくのがつらくなったって意味合いのことを言って、
深いきずなで結ばれてますってことで」、「てる子さんの方は、『うん』とうなずいていました」などと語った。
その告白からおよそ1年たった2007年夏、2人はこつ然と姿を消し、事件が起こった。
2007年8月1日、江本被告が運転する車でドライブをしていた2人だったが、
夕方になると、宮崎さんは「帰りたくない。死にたい」と訴えたという。
さらに宮崎さんは、ベルトやネクタイを自ら首に巻きつけ、江本被告に「殺して。愛してないの」などと迫ったという。
江本被告は耐えきれず、殺害を実行したという。
江本被告は、初公判で、裁判官の「自分でネクタイを締めたとき、てる子さんが幸せになると思った?」との質問に、
「思いました。純真に思い詰めていたから。本当にてる子さんを愛していたから」と答えていた。
その後、江本被告は宮崎さんの遺体を助手席に乗せたまま、2カ月間、1万km近く走行した。
そして、江本被告は逮捕されたという。
16日の公判で、裁判長は「被告人は、当時としては『殺すしかなかった』と述べるが、視野の狭い短絡的な犯行」と断罪した。
江本被告は、懲役4年の判決をうなずきながら聞いていたという。
公判を傍聴した宮崎さんの友人は、「(江本被告の話は)絶対に信じられない。
そんな男にのめり込むような人ではないし、あれだけ家族のことを思っているしね。
今も、何が何だかよくわからないです、わたし」と話した。
ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/20080116/20080116-00000419-fnn-soci.html