【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領を崇拝し“プーチン親衛隊”と呼ばれる
官製の愛国青年団体「ナーシ(われらの仲間たち)」の幹部らがこのほど、欧州への
渡航査証(ビザ)発給を拒否された。欧州側は理由を明らかにしていないが、
過激な「プーチン翼賛活動家」らは、欧州のブラックリストに載せられ、
入域制限され始めたものとみていらだちを募らせている。
「ナーシ」の活動家らはこれに対し9日、モスクワ中心部の欧州委員会代表部前で
抗議デモを行った。デモは、警察によって排除された。
ソ連時代の「コムソモール」(共産主義青年組織)をモデルにプーチン政権が
創設した同団体は昨年春、エストニアが旧ソ連軍兵士の像を首都中心部から
撤去したことに怒って同国大使館前を1週間以上にわたり占拠。同国国旗を破き、
大使に対するストーカー行為を行うなど過激な抗議行動を展開した。
欧州側は今回の措置について説明していない。ただ、エストニアは昨年末、
欧州での人の往来を簡素化するため国境での出入国審査の撤廃を決めたシェンゲン協定の
実施を開始。同国のブラックリストが欧州全域で共有されたことが、今回の査証発給拒否に
つながったものとみられている。今回の欧州の措置について、
日本側は「独自の基準で入国審査をしており、ナーシ幹部の入
国制限は導入されていない」(在ロシア日本領事館)と話している。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080114/erp0801141746004-n1.htm