今週号の週刊現代が学位商法問題を報道。
しかも、公的な認定を受けていない大学である「非認定大学」で「学位」を取得した教授を実名で出してます。
週刊誌ならではの機動力と実行力ですね。ある意味、脱帽です。
有名人はともかく、一般の教授や准教授まで新聞で実名報道することはできません。
教育界では、この手の不祥事は致命傷になりますので。
もっとも、私が専門家らから聞く限りでは、これがアメリカだったら、ダイレクトにクビになるケースも出ているような話です。
週明けには、関係する大学の教職員や学生の間で大きな話題となることでしょう。
今年が、日本の学位商法追放元年になることを願っています。
ちなみに、私が取材した日米の教育情報に詳しい教育コンサルタントによりますと、
大学の教員で「ニセ学位」を「うっかり」取ったとか、「騙された」とかいうことはありえないそうです。
なぜなら、国内であれ海外であれ、博士号や修士号をとる大変さは嫌というほどしっているからです。
「こんなに簡単に取れるわけがない」と100人教員がいたら、99.9人が思うと。
特に、外国の大学の学位を日本語で取るとか、医学系の学位を実習なしでとるというのは怪しいと、よーく知っているのです。
もちろん、その大学がそれで学位を出すというのだから、もらえるのでしょう。
ただし、その程度のモノです。
それを、学内の広報や入学案内やホームページ、個人のホームページ、著書の肩書きに載せるのは、
「確信犯」だと力説していました。
ところで、学位商法のよくある手口ですが、名誉博士号を贈られると、たいてい寄付を迫られます。
私が取材したところですと、数百万円を平気で払う人もいると聞いています。
払った人たちにとっては、たいした額でもないようですが・・・。
最後に、昨年末に文部科学省の学位商法に関する調査結果を受けて書いた解説記事を再掲します。
掲載から時間がたち、MSN産経ニュースなどの検索でひっかからなくなったようなので。
■不正規学位 “氷山の一角”
2007年12月28日 産経新聞 東京朝刊 社会面
「教員の学位は、大学の信頼度を測る物差しだから、不正規な学位は本来ゼロであるべきだ。
48人という数字は大きい」。日米の大学事情に詳しいある大学関係者は、調査結果をこうみる。
これまでに、早稲田や聖心女子といった有名大学も「学位商法」に汚染されていたことが明らかになっている。
文科省が今回、全大学の実態を把握する調査を実施したこと自体は評価できる。
しかし、この数字は“氷山の一角”にすぎない。
まず教員の調査対象が限定的で、平成15年以前に採用され、18年度までの3年間に昇格しなかった者は含まれていない。
また、ホームページなどへの掲載は、すでに文科相が調査実施の意向を示した後に調べたため、
該当者が削除してしまったケースもあるほか、各種発行物については、学外のものは対象外とされた。
「不正規な学位の使用者はもっといる」。学位商法問題に詳しい静岡県立大学の小島茂教授はこう前置きし、
「数字を把握しただけでは、国際的な感覚からすれば生ぬるい。
不正規な学位を大学から排除し、高等教育の質を維持・向上させるため、より毅然(きぜん)とした態度が必要」と指摘する。
米国では、ディプロマ・ミルが横行している実情を踏まえ、
厳格な法整備を行ったうえで、行政訴訟や捜査当局による摘発など厳しい対応をしている州もある。
日本でも立法と行政の両面で、この問題に積極的に取り組む時期が来ているのではないか。
(池田証志)
ソース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080114/crm0801140135003-n1.htm