国家資格「製菓衛生師」の養成施設に指定されている「日本菓子専門学校」(東京都世田谷区)が長年にわたり、
通信教育課程の面接指導を法令で定められた時間より少なく実施したにもかかわらず、
試験の受験資格を与えていたことが13日、分かった。
学校は国に通信教育課程の時間数を水増し申告して指定を受けたことを認め、
現在は通信教育課程の募集をしていない。監督する厚生労働省関東信越厚生局も不正を把握し、
10日に立ち入り調査した。事実確認を進め、改善を求める方針。
製菓衛生師法などによると、試験を受けるためには、指定養成施設で1年以上、必要な知識と技能を習得するか、
菓子製造業に2年以上従事する必要がある。
通信教育課程に義務づけられている面接指導の授業時間は、
食品衛生学や栄養学、製菓理論など計204時間以上。
生徒が菓子製造業に従事している場合は、102時間以上になる。
しかし、日本菓子専門学校総務局によると、通信教育課程は2年制で、面接指導の授業時間は計約60時間のみ。
法令の基準を満たしていなかったが、卒業生に受験に必要な卒業証書を交付していた。
学校は昭和42年に養成施設に指定されたが、当初から授業数が少ない状態が続いていたという。
総務局は「はじめのころは生徒の大半が菓子の知識を求める菓子製造従事者。
従事者は実務経験があれば受験資格を得られるため、時間数を軽視した」と説明する。
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